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『長ぐつをはいたネコと9つの命』あらすじと感想!命の尊さを描く感動作

『長ぐつをはいたネコと9つの命』ってどんな映画?基本情報をチェック
「長ぐつをはいたネコ とぎだされた願い」で検索されている方、実は正式タイトルは『長ぐつをはいたネコと9つの命』なんですよ。
原題は「Puss in Boots: The Last Wish」で、2023年3月17日に日本公開されたドリームワークスの最新アニメーション映画です。
あの大人気シリーズ『シュレック』のスピンオフ作品で、2011年公開の前作『長ぐつをはいたネコ』から実に12年ぶりの続編となります。
本作は第95回アカデミー賞の長編アニメーション映画賞にノミネートされるほどの高評価を獲得していて、批評家からも観客からも絶賛されているんです。
上映時間は104分で、監督はジョエル・クロフォード。
声優陣も豪華で、英語版ではアントニオ・バンデラスやフローレンス・ピューなどが参加し、日本語吹き替え版では山本耕史、土屋アンナ、津田健次郎といった実力派が集結しています。
ドリームワークスならではの美しい映像表現と、深いメッセージ性を持った物語が融合した、子どもから大人まで楽しめる作品なんですよ。
『長ぐつをはいたネコと9つの命』のあらすじを詳しく解説
物語の始まり:残り1つになった命と死の恐怖
主人公は、長靴をはいたかっこいいネコの剣士「プス」です。
彼は「ネコには9つの命がある」という伝説の通り、9つの命を持っていました。
勇敢で無鉄砲、恐れ知らずのヒーローとして数々の冒険をこなし、街の人々からは賞金首として恐れられながらも、その活躍で称賛されていたんです。
でも、あまりにも無茶な冒険を繰り返した結果、気づけば9つあった命は残り1つに。
ある日、街を襲った巨人を退治した直後、8つ目の命を失ってしまいます。
そして何より恐ろしかったのが、その時に現れた「死神」の存在でした。
赤いローブをまとった狼の姿をした死神が、プスの最後の命を狙ってやってくるんです。
初めて「死」という絶対的な恐怖に直面したプスは、今までの自信を失い、賞金首という危険な生活から足を洗うことを決意します。
長靴を脱ぎ、帽子もマントも捨てて、ごく普通の家ネコとして暮らし始めるんですよ。
転機:願い星の情報と再び始まる冒険
平凡な家ネコとして隠居生活を送っていたプスですが、過去は簡単には彼を解放してくれません。
次々と刺客が現れ、平和な日々は長く続かなかったんです。
そんな時、プスの耳にある伝説の情報が飛び込んできます。
それが「願い星」の存在です。
願い星を見つければ、どんな願いでも1つだけ叶えることができる。
プスは命のストックを取り戻すため、再び長靴をはいて冒険の旅に出ることを決意するんですよ。
しかし、願い星を狙っているのはプスだけではありませんでした。
旅の途中で、プスは元婚約者である泥棒猫のキティ・フワフワーテと再会します。
キティは爪がなく柔らかい肉球を持つ美しい猫で、プスとは複雑な過去があったんです。
さらに、過去に不幸な経験をしながらも常にポジティブな犬のワンコ(ペリート)も仲間に加わります。
ワンコは猫に変装していますが、実は心優しいセラピー犬なんですよ。
願い星を巡る三つ巴の争奪戦
願い星への地図を手に入れたプス一行ですが、その地図を狙うライバルたちが次々と現れます。
1つ目のグループは、ゴルディ・ロックスと3匹のクマの家族です。
ゴルディは人間の女の子で、クマの家族に育てられましたが、本当の人間の家族を求めて願い星を狙っています。
パパ・ベア、ママ・ルーナ、ベイビー・ベアという3匹のクマたちは、ゴルディを本当の家族として愛していますが、彼女の願いを叶えるために協力するんです。
2つ目の敵は、悪名高いパイ職人のビッグ・ジャック・ホーナーです。
彼は世界中の魔法を集めることに執着していて、部下の命など全く意に介さない冷酷な悪役なんですよ。
彼のコレクションには、ディズニー作品を彷彿とさせる魔法のアイテムがたくさん登場します。
そして何より恐ろしいのが、プスを執拗に追い続ける死神の狼ウルフです。
彼はただの賞金稼ぎではなく、文字通りの「死」の化身。
津田健次郎の艶かしくも恐ろしい声で演じられるウルフは、プスに死の恐怖を植え付ける存在なんです。
地図は持ち主によって願い星へのルートが変わる不思議なアイテムで、各キャラクターの心の奥底にある願いや痛みを映し出します。
道中で奪い合いが繰り広げられる中、それぞれのキャラクターが抱える過去や心の傷が明らかになっていくんですよ。
クライマックス:心の砦での決断
旅の途中、プスは「心の砦」という場所に閉じ込められます。
そこで彼は、これまでに失った8つの命たちと再会するんです。
過去の自分たちと楽しく歌い踊りながら、プスは享楽的な時間を過ごします。
でも、そこにまた死神のウルフが現れるんですよ。
プスは砦から逃げ出し、ついに願い星にたどり着きます。
巨大に輝く願い星の上で、プス、キティ、ワンコ、ゴルディたち、そしてジャック・ホーナーが最後の争奪戦を繰り広げることになるんです。
感動の結末:それぞれが見つけた本当の願い
クライマックスで、子グマが危険に陥った時、ゴルディは地図よりも家族を選びます。
彼女は気づいたんです。
本当に求めていた家族は、すでに自分のそばにいたクマたちだったということに。
プスも大きな決断をします。
9つの命を取り戻すよりも、今ある1つの命を大切に生きることを選んだんですよ。
恐怖と向き合い、死神ウルフと対決したプス。
その勇気を認めたウルフは、「まだお前の時ではない」と去っていきます。
一方、最後まで欲望にとらわれたジャック・ホーナーは、部下のコオロギに裏切られて地図を燃やされ、崩壊する願い星とともに奈落の底に沈んでいくんです。
プスとキティ、そしてワンコは「チーム・フレンドシップ」を結成し、これからも冒険を続けることを誓います。
命の尊さを知ったプスの新たな旅が始まるというハッピーエンドで物語は幕を閉じるんですよ。
『長ぐつをはいたネコと9つの命』を観た感想と見どころ
『スパイダーバース』を超える革新的な映像美
本作を語る上で絶対に外せないのが、その圧倒的な映像美です。
2019年公開の『スパイダーマン:スパイダーバース』が切り拓いた2D風3Dアニメーションの技術を、さらに進化させた映像表現なんですよ。
あえてコマ数を落とした「カクカクした動き」が、日本のアニメのようなケレン味を生み出していて、アクションシーンでは思わず息を飲むほどカッコいいんです。
特に、プスと巨人の戦闘シーンや、死神ウルフとの対決シーンでは、鮮やかなブルーや真っ赤な色彩が画面を染め上げ、視覚的な興奮が止まりません。
色彩とコマ抜きを駆使した演出は、まるで絵画を見ているような美しさと、激しいアクションの爽快感を両立させているんですよ。
前作『バッド・ガイズ』でも話題になったドリームワークスの新しい映像スタイルが、本作でさらに洗練されているんです。
劇場の大スクリーンで観る価値が本当にある作品ですよ。
大人の心に深く刺さる「命」と「人生」のテーマ
表面的には子ども向けのアドベンチャー作品に見えますが、本作が描いているのは実に深い人生の物語なんです。
プスがこれまで9つの命を持っていたということは、「死んでも平気」という感覚で生きていたということ。
でも、それって本当に「生きている」と言えるのでしょうか。
命が無限にあると思っているから無謀なことができたけれど、それは逆に命を軽んじていたということでもあるんですよね。
残り1つの命になって初めて死を恐れたプスは、今度は恐怖に支配されて何もできなくなってしまいます。
でも物語の終盤で、プスは気づくんです。
「限りある命だからこそ、今この瞬間が輝いている」という真理に。
これって、まさに私たち人間の人生そのものじゃないですか。
無限に時間があると思っていると何でも先延ばしにしてしまうけれど、人生には終わりがあるからこそ、今を大切に生きることができるんです。
子ども向けアニメとは思えないほど哲学的で、大人の心にこそ響くメッセージが込められているんですよ。
魅力的すぎる登場キャラクターたち
本作の素晴らしさは、主人公だけでなく全てのキャラクターにきちんとドラマがあることです。
まずワンコ(ペリート)の存在が本当に素晴らしいんですよ。
彼が語る過去は本当に悲惨で、何度も捨てられて虐待されてきた経験があるのに、それでも常にポジティブでいようとする姿が泣けるんです。
最初は「ちょっとウザいキャラかな」と思うかもしれませんが、彼の健気さと優しさに気づいた時、涙が止まらなくなりますよ。
元婚約者のキティ・フワフワーテも魅力的です。
クールで有能な泥棒猫の彼女とプスの間には、結婚式から逃げ出してしまったという切ない過去があります。
愛することへの恐れ、傷つくことへの恐怖。
二人の関係性の変化も、本作の重要な見どころなんです。
そして何と言っても、津田健次郎が吹き替えを担当した死神ウルフが最高すぎるんですよ。
最初は物腰柔らかに見えるのに、底知れぬ恐怖と執拗さを感じさせる演技が完璧にハマっています。
2023年最高のヴィランと言っても過言ではありません。
ゴルディとクマの家族の物語も感動的です。
本当の家族を求めるゴルディと、彼女を本当の家族として愛するクマたち。
血の繋がりとは違う絆の美しさが描かれていて、家族の意味を考えさせられるんですよ。
吹き替え版が最高!山本耕史と津田健次郎に注目
正直に言いますと、本作は吹き替え版で観ることを強くおすすめします。
プス役の山本耕史は、前任の竹中直人からバトンを受け継いだわけですが、その演技が本当に素晴らしいんです。
渋めの声質がプスのキャラクターにぴったりで、特に塞ぎ込んだ時の演技には胸を打たれますよ。
そして山本耕史は歌も上手いので、劇中の歌唱シーンも美しく響きます。
キティ役の土屋アンナのクールな声、ワンコ役の小関裕太の不憫かわいい演技、どれも完璧です。
でも何と言っても、津田健次郎のウルフが圧巻なんですよ。
艶かしくも恐ろしい、多層的な印象を感じさせる声が、このキャラクターの魅力を何倍にも引き上げています。
ギャガ配給のアニメ映画の吹き替えは『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』や『バッド・ガイズ』など高品質で有名ですが、本作はその中でも最高峰の出来栄えなんです。
もちろん字幕版も素晴らしいので、可能なら両方観てほしいくらいですよ。
笑えるギャグと切ないドラマのバランスが絶妙
本作の魅力は、シリアスなテーマを扱いながらも、しっかりとユーモアがあることです。
プスとキティによる「かわいいウルウル目勝負」は爆笑必至ですよ。
お互いに可愛い目で相手を説得しようとする場面は、『シュレック』シリーズから受け継がれたギャグですが、本作ではさらにバリエーションが増えています。
また、ジャック・ホーナーのコレクションに登場する魔法のアイテムが、ディズニー作品をパロディしているのも面白いんです。
『ファンタジア』の魔法の杖、『アラジン』の魔法の絨毯、『ピノキオ』のコオロギなど。
子グマがコオロギを見て「喋るゴキブリだ!」と叫ぶシーンは、科学的にも近い種類だという知識とともに笑えますよ。
でも、そうした笑いの合間に、キャラクターたちの切ない過去や痛みが描かれるんです。
笑いと涙が自然に混ざり合った作品で、この感情のバランスが本当に絶妙なんですよ。
前作を観ていなくても100%楽しめる
「続編」と聞くと、前作を観ていないと楽しめないのでは?と心配になる方もいるかもしれません。
でも安心してください。
本作は前作『長ぐつをはいたネコ』はもちろん、『シュレック』シリーズを全く知らなくても、単体で完全に楽しめる作品なんですよ。
もちろん、シリーズファンなら「ああ、あのキャラクターが!」という楽しみはありますが、初見の方でも物語にすぐに入り込めます。
むしろ、何の予備知識もなく観た方が、ピュアに作品の面白さを味わえるかもしれませんね。
こんな人におすすめ!『長ぐつをはいたネコと9つの命』
映像美を堪能したいアニメファン
『スパイダーバース』のような革新的な映像表現が好きな方には絶対におすすめです。
コマ抜きの手法や色彩設計の美しさは、アニメーション表現の最先端を体験できますよ。
深いメッセージのある作品を求める大人
「命とは何か」「人生をどう生きるべきか」という普遍的なテーマを、エンターテインメントとして昇華した本作。
大人の心にこそ響く作品なんです。
仕事や日常に疲れた時、人生について考え直したい時に観ると、心に染みる何かが見つかるはずですよ。
家族で楽しめる映画を探している方
子どもは冒険とアクション、可愛いキャラクターに夢中になり、大人は深いテーマとユーモアに引き込まれる。
全年齢が一緒に楽しめる貴重な作品なんですよ。
ただし、一部のシーンで人が(コミカルに)死ぬ描写があるので、小さなお子さんと観る場合は少し注意が必要かもしれません。
質の高い吹き替えを楽しみたい方
山本耕史、津田健次郎、土屋アンナなど、実力派声優陣の演技を堪能したい方にもぴったりです。
特に津田健次郎のウルフは必聴ですよ。
まとめ:『長ぐつをはいたネコと9つの命』は2023年屈指の傑作アニメ
『長ぐつをはいたネコと9つの命』(正式タイトル、「とぎだされた願い」ではありません)は、圧倒的な映像美、深いメッセージ性、魅力的なキャラクター、そして完璧な吹き替えが揃った、まさに完璧なエンターテインメント作品です。
プスが命の大切さを学び、死の恐怖と向き合い、そして本当に大切なものを見つけていく物語は、子どもにも大人にも響く普遍的なテーマを持っています。
12年ぶりの続編として公開された本作ですが、前作を大きく超える出来栄えで、アカデミー賞ノミネートも納得の仕上がりなんですよ。
まだ観ていない方は、ぜひ劇場で、できれば吹き替え版で体験してみてください。
「命がラス1になっちゃったネコの最後の命をめぐる大冒険」は、あなたの人生観を少し変えてくれるかもしれませんよ。
願い星を求める旅を通して、プスが見つけたのは命のストックではなく、今ある1つの命の尊さでした。
私たちも、限りある人生を大切に、そして思い切り生きていきたいものですね。
この映画は、そんな勇気を与えてくれる素晴らしい作品です。
ぜひあなた自身の目で、プスの最後の冒険を見届けてください。
きっと、観終わった後には誰かにこの映画のことを話したくなるはずですよ。
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