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『最強のふたり』あらすじと感想を徹底解説!実話に基づく感動の友情物語

『最強のふたり』のあらすじと感想!実話に基づく感動の物語を徹底解説

心が疲れているとき、あなたは何を観て元気をもらいますか。

泣いて笑って、最後には温かい気持ちになれる映画があったら、そんな作品に出会いたいと思いませんか。

『最強のふたり』は、まさにそんな映画です。

首から下が麻痺した大富豪と、スラム街出身の黒人青年が紡ぐ友情の物語。

この映画は実話に基づいており、フランス映画史上でも驚異的な興行成績を記録しました。

本記事では、『最強のふたり』のあらすじから感想、実話の背景、視聴方法まで徹底的にご紹介しますよ。

ネタバレを含む内容もありますので、まだ観ていない方はご注意くださいね。

『最強のふたり』の基本情報

まずは映画の基本情報から押さえていきましょう。

作品データ

タイトル:最強のふたり

原題:Intouchables

公開年:2011年

製作国:フランス

上映時間:112分

ジャンル:ヒューマンドラマ、コメディ、実話ベース

監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ

受賞歴

この映画は本国フランスで大ヒットし、セザール賞では主演男優賞(オマール・シー)を受賞しました。

また、東京国際映画祭では東京グランプリと観客賞をダブル受賞するなど、世界中で高く評価されています。

フランス映画史上、歴代興行収入第2位という記録も打ち立てており、その人気ぶりがうかがえますよ。

『最強のふたり』のあらすじ(ネタバレなし)

物語の舞台はパリ。

パラグライダーの事故で首から下が麻痺してしまった大富豪のフィリップは、新しい介護人を探していました。

フィリップの屋敷には、介護人の採用面接を受けるために多くの候補者が訪れます。

その中に、失業保険をもらうための署名が欲しいだけという不真面目な青年、ドリスがいました。

ドリスはスラム街出身で、前科もある黒人青年です。

介護の経験もなければ、礼儀やマナーも知りません。

しかしフィリップは、そんなドリスをなぜか気に入り、試用期間として採用することにします。

立場も価値観もまったく異なる2人は、最初こそ衝突しますが、次第にお互いを理解し合い、深い友情で結ばれていくのです。

障害者を「かわいそうな人」として扱わないドリスの態度が、フィリップの心を少しずつ開いていきます。

笑いあり、涙ありの感動ストーリーが、ここから始まりますよ。

『最強のふたり』のあらすじ詳細(ネタバレあり)

ここからは、映画のストーリーを詳しく見ていきましょう。

起:出会いと採用

夜の道路を猛スピードで駆け抜ける黒い高級車。

運転するのは黒人男性のドリスで、助手席には白人男性のフィリップが座っています。

警察に止められたドリスは、「助手席の男性は障害者で、病院に急いでいる」と訴えます。

フィリップも発作を起こした演技をして、警察を騙して病院まで先導させることに成功します。

これが物語の冒頭シーンで、後にこのシーンへとつながる伏線となっています。

場面は変わり、フィリップの豪華な邸宅では介護人の面接が行われていました。

秘書のマガリーが次々と候補者を面接していきます。

ドリスは失業保険をもらうための不採用証明が欲しいだけで、やる気はゼロ。

しかし、障害者に対して遠慮のない態度を取るドリスに、フィリップは興味を持ちます。

翌日、書類を取りに来たドリスに、フィリップは試用期間を提案しました。

承:介護生活の始まりと友情の芽生え

ドリスは住み込みで介護の仕事を始めます。

看護師からフィリップの介護方法を教わりますが、ドリスのやり方は雑で自己流です。

それでもドリスは、フィリップを一人の人間として扱い、障害者扱いしませんでした。

外出時には車いす用のバンではなく、高級車のマセラティを使うことを提案します。

「馬を載せるみたいだ」というドリスの言葉に、フィリップも笑顔を見せました。

フィリップの親戚たちは、前科のあるドリスを心配しますが、フィリップは彼を信頼していました。

ある夜、フィリップの苦しそうな呼吸音に気づいたドリスは、彼をパリ市街へ連れ出します。

朝4時のカフェで、フィリップは自分の過去をドリスに打ち明けました。

パラグライダーの事故で頸椎を損傷したこと、妻を病気で亡くしたこと、養子を迎えたことなど。

そして試用期間の最終日、フィリップはドリスが盗んだファベルジェの卵を返すよう求めます。

それは亡き妻が毎年贈ってくれた大切なものでした。

転:2人の関係の深まり

フィリップには半年前から文通している女性、エレノアがいました。

ドリスは「電話したほうが早い」と提案し、フィリップは彼女と電話で話すようになります。

2人は意気投合し、エレノアがパリに来ることになりました。

しかしフィリップは、自分が障害者であることを隠していたのです。

カフェでエレノアを待つフィリップでしたが、緊張のあまり彼女が来る前に帰ってしまいます。

実はエレノアは入れ違いで来ていましたが、2人は気づくことができませんでした。

一方、ドリスはフィリップの16歳の娘の生活態度を正したり、誕生日パーティーで踊ったりと、フィリップの生活に新しい風を吹き込んでいきます。

フィリップの表情は日に日に明るくなり、2人の友情は深まっていきました。

ある日、ドリスのもとに弟が訪ねてきます。

顔に怪我をした弟を見たフィリップは、ドリスに「これは君の一生の仕事じゃない。弟にはしつけが必要だろう」と言って、契約を解除してやりました。

結:ラストと2人の再会

ドリスが去った後、フィリップは新しい介護人を雇いますが、以前のような明るさは戻りません。

体調を崩したフィリップを、ドリスが迎えに来ます。

これが冒頭のカーチェイスシーンにつながっていたのです。

2人は海辺の町ダンケルクへ向かいました。

ホテルでドリスはフィリップの髭を剃り、身なりを整えます。

そして海辺のレストランに予約を入れ、フィリップをテーブルに座らせました。

ドリスは盗んだ卵を返し、「デートを楽しんで」と言ってその場を去ります。

そこに現れたのは、文通相手のエレノアでした。

ドリスがセッティングしていたのです。

レストランの外から2人を見守るドリスを、フィリップはガラス越しに見つけて苦笑します。

ドリスは去り、エレノアと会話するフィリップの笑顔で物語は幕を閉じました。

エンドロールでは、実在のフィリップが再婚して2人の子どもに恵まれたこと、介護人アブデルも結婚して幸せな家庭を築いたことが紹介されますよ。

『最強のふたり』は実話!モデルとなった2人の物語

この映画が多くの人の心を打つのは、実話に基づいているからです。

実在のモデル

フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴ

映画の主人公フィリップのモデルは、フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴという実在の人物です。

彼はフランスの貴族の家系に生まれ、シャンパン製造会社の重役を務めていました。

1993年、パラグライダーの事故で頸髄を損傷し、首から下が麻痺してしまいます。

富と名誉、そして愛する家族に恵まれた完璧な人生は、一瞬にして変わってしまいました。

アブデル・ヤスミン・セロー

映画ではドリスという名前で登場する介護人のモデルは、アブデル・ヤスミン・セローという青年です。

映画ではアフリカ系の黒人として描かれていますが、実際はアルジェリア出身のマグレブ系です。

当時24歳だったアブデルは、介護の経験もなく、前科もありました。

しかし、フィリップは彼の率直さと明るさに惹かれ、介護人として採用したのです。

実話と映画の違い

映画では脚色されている部分もあります。

劇中ではフィリップの妻はすでに亡くなっていますが、実際にはアブデルが家にやって来てから4年後の1996年に、がんで亡くなっています。

また、2人が雇用関係にあったのは10年間ではなく、実際には数年間でした。

それでも、2人の友情が本物であったことは間違いありません。

フィリップは2001年に自身とアブデルのことを書いた本を出版し、それがドキュメンタリーとして放送されました。

そのドキュメンタリーを見た監督が映画化を持ちかけ、『最強のふたり』が誕生したのですよ。

実在の2人の「その後」と現在

フィリップのその後

フィリップ・ポゾ・ディ・ボルゴは再婚し、2人の娘に恵まれました。

ノルマンディーの城とモロッコの海辺の町を行き来しながら、穏やかな生活を送っていたそうです。

晩年はモロッコのマラケシュで過ごし、2023年6月1日に72歳で亡くなりました。

生前のインタビューでは、アブデルについて「彼は私の人生を救ってくれた」と語っています。

アブデルのその後

アブデルはフランスを離れ、現在はアルジェリアで家族と暮らしながら、鶏を育てる農場を経営しているそうです。

かつてパリの下町で問題を抱えていた青年が、静かな環境で家族と生活し、自身の半生を綴った自伝まで出版するまでになりました。

2人の友情は映画の中だけではなく、現実の世界でも深く続いていたのです。

『最強のふたり』の感想と見どころ

ここからは、実際に観た感想と映画の見どころをご紹介します。

心温まる友情の描写

この映画の最大の魅力は、2人の友情の描き方です。

障害者と健常者、富豪とスラム街出身者という対照的な2人が、遠慮のない関係を築いていく過程が本当に温かいですよ。

ドリスはフィリップを「かわいそうな人」として扱いません。

時には失礼なことも平気で言いますが、それがフィリップにとっては久しぶりに味わう対等な関係でした。

何気ない会話の積み重ねで胸の奥がそっと熱くなる、そんな静かな涙を誘う映画です。

笑いと涙のバランス

重いテーマを扱っているにもかかわらず、映画全体にはユーモアが散りばめられています。

ドリスのぶっ飛んだ言動や、2人の掛け合いには思わず笑ってしまうシーンが満載です。

フランス映画特有のセンスの良い笑いが、涙を引き立てる効果を生んでいますよ。

重苦しくなりすぎず、それでいて深い感動を与えてくれるバランスが絶妙です。

名シーンの数々

誕生日パーティーでのダンスシーン

フィリップの誕生日パーティーで、クラシック音楽の楽団が演奏している場面。

ドリスはスマホでアース・ウィンド・アンド・ファイヤーの「ブギー・ワンダーランド」をかけ、踊り始めます。

それを楽しそうに見つめるフィリップの表情が印象的です。

使用人たちも踊りの輪に加わり、パーティーは楽しく閉じられました。

堅苦しかったフィリップの世界に、ドリスが新しい風を吹き込む象徴的なシーンですよ。

深夜のカフェでの語らい

朝4時、パリ市街のカフェで2人が語り合うシーン。

フィリップが自分の過去をドリスに打ち明ける場面は、静かで心に染み入ります。

障壁がなくなり、2人が本当の意味で友人となった瞬間です。

ラストのレストランシーン

ドリスがフィリップとエレノアのデートをセッティングするラスト。

レストランの外から2人を見守るドリスを、フィリップが見つけて苦笑する場面は、何とも言えない温かさがあります。

ドリスがフィリップに新しい人生の一歩を踏み出させてあげた、最高の友情の形ですね。

音楽の素晴らしさ

映画で使用される音楽も見どころの一つです。

フィリップが好むクラシックと、ドリスが好むファンクやソウルミュージックが対照的に描かれています。

バッハの無伴奏チェロ組曲や、アース・ウィンド・アンド・ファイヤーの「セプテンバー」など、印象的な楽曲が物語を彩りますよ。

音楽を通して2人の世界観の違いと、それを超えた理解が表現されています。

『最強のふたり』の登場人物とキャスト

主要キャストについてもご紹介しましょう。

フィリップ役:フランソワ・クリュゼ

大富豪で首から下が麻痺した男性を演じています。

繊細で知的な演技が光り、フィリップの孤独と、ドリスとの出会いによって変わっていく心情を見事に表現していますよ。

ドリス役:オマール・シー

スラム街出身の介護人ドリスを演じ、セザール賞主演男優賞を受賞しました。

明るく自由奔放なキャラクターで、フィリップの心を開いていく姿が魅力的です。

その後、『X-MEN』シリーズなどハリウッド作品にも出演するようになりました。

マガリー役:オドレイ・フルーロ

フィリップの秘書で、常にフィリップを支える存在です。

ドリスとのやり取りも面白く、物語に温かみを添えていますよ。

イヴォンヌ役:アンヌ・ル・ニ

フィリップの助手であり、家政婦のような役割も果たしています。

物語の中で重要なサポート役として描かれています。

『最強のふたり』はどこで観られる?視聴方法をご紹介

「この映画、どこで観られるの?」と思った方も多いでしょう。

ここでは、『最強のふたり』を視聴できる動画配信サービスをご紹介しますよ。

Netflix

Netflixでは見放題配信中です。

月額790円(税込)から視聴可能で、15,000作品以上の見放題作品を楽しめますよ。

Amazon Prime Video

Amazon Prime Videoでも見放題配信されています。

月額600円(税込)から利用でき、プライム会員特典も受けられます。

U-NEXT

U-NEXTでも見放題で視聴可能です。

月額2,189円(税込)ですが、31日間の無料トライアル期間があるので、まずは試してみるのもおすすめですよ。

TSUTAYA DISCAS

DVDやBlu-rayのレンタルサービスも利用できます。

宅配レンタルなので、自宅にいながら作品を楽しめますよ。

DVD・Blu-ray購入

何度も観たい方は、DVD・Blu-rayの購入もおすすめです。

新品・中古ともに取り扱いがあり、Amazonや楽天市場などで購入できます。

視聴方法は複数ありますので、ご自身に合ったサービスを選んでくださいね。

まとめ:心が温まる実話の友情物語を観よう

『最強のふたり』は、実話に基づいた感動のヒューマンドラマです。

障害者と健常者という枠を超え、2人が築いた友情の物語は、多くの人の心を打ちます。

笑って泣けて、最後には温かい気持ちになれる、そんな映画ですよ。

フィリップとドリスの掛け合いには思わず笑ってしまいますし、2人が心を通わせていく過程には涙が止まりません。

実在のフィリップとアブデルの「その後」を知ると、さらに深い感動が押し寄せてきます。

映画の中だけでなく、現実の世界でも続いた友情。

その温かさは、観る人の心にずっと残り続けるはずです。

心が疲れているとき、元気が欲しいとき、『最強のふたり』を観てみてくださいね。

きっとあなたの心も、温かく満たされることでしょう。

NetflixやAmazon Prime Video、U-NEXTなど、さまざまな動画配信サービスで視聴できますので、今すぐチェックしてみましょう。

実話が持つ力強さと、2人の友情が持つ優しさを、ぜひあなた自身の目で確かめてください。

この映画を観たあと、あなたの人生観が少し変わるかもしれませんよ。