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『(500)日のサマー』あらすじ&感想!ネタバレ込みで徹底解説

映画『(500)日のサマー』とは?基本情報をチェック

『(500)日のサマー』は、2009年に公開されたアメリカの恋愛映画です。

マーク・ウェブ監督の初監督作品として注目を集め、サンダンス映画祭でも話題になりました。

主演は、ジョセフ・ゴードン=レヴィットとズーイー・デシャネル。

トムとサマーという男女が出会ってから別れるまでの500日間を、時系列をシャッフルしながら描いたユニークな構成が特徴ですよ。

タイトルの「サマー」はヒロインの名前であり、季節の「夏」とのダブルミーニングにもなっています。

上映時間は96分と、気軽に楽しめる長さながら、恋愛の本質を突いた深いメッセージが込められていますよ。

冒頭で「これはラブストーリーではない。恋についての物語である」というテロップが流れることからも分かるように、ただの甘いラブストーリーではなく、リアルで切ない恋愛模様が描かれています。

『(500)日のサマー』のあらすじを詳しく解説

それでは、映画『(500)日のサマー』のあらすじをご紹介しましょう。

トムとサマーの出会い

建築家を夢見ながらも、現実にはグリーティングカード会社でライターとして働く青年トム。

彼は「運命の人」の存在を信じ、いつか理想の恋愛が訪れると信じています。

そんなある日、社長秘書として入社してきたサマーに一目惚れしてしまうのです。

サマーは自由奔放で魅力的な女性でしたが、恋愛や結婚に対しては否定的な考えを持っていました。

エレベーターで偶然「ザ・スミス」という共通の好きなバンドの話題で盛り上がった二人は、徐々に距離を縮めていきます。

幸せな日々とすれ違い

カラオケパーティーやIKEAでのデート、美術館巡りなど、トムとサマーは楽しい時間を過ごします。

しかし、サマーは最初から「真剣に付き合う気はない」とトムに告げていました。

トムは「軽い気持ちで気楽にやろう」と了承するものの、心の中ではサマーを運命の人だと確信していたのです。

二人の恋愛観の違いは、次第に大きな溝となっていきます。

トムはサマーとの関係を「恋人」だと思っていましたが、サマーにとっては「友達以上恋人未満」の関係でした。

突然の別れ

ある日、サマーは突然トムに別れを告げます。

トムは失恋のショックから立ち直れず、仕事も手につかなくなってしまいました。

そして、映画『卒業』を一緒に観た後のデートでサマーから「お互い会うのはやめよう」と言われたことを思い返します。

トムは自暴自棄になり、酒に溺れる日々を送りますが、妹や友人の励ましで少しずつ前を向き始めるのです。

再会とサマーの結婚

同僚の結婚式で偶然再会したトムとサマー。

サマーはトムを自宅のパーティーに招待します。

トムは期待を胸にパーティーに参加しますが、そこでサマーの左手薬指に結婚指輪があることに気づいてしまうのです。

サマーは、デリで本を読んでいた時に声をかけてきた男性と結婚していました。

その男性こそが、サマーにとっての「運命の人」だったのです。

ラストシーン:新たな始まり

失恋と仕事の失敗を経験したトムは、夢だった建築家への道を再び目指し始めます。

転職活動の面接会場で、トムは一人の女性と出会いました。

彼女の名前は「オータム(秋)」。

運命を否定していたトムでしたが、オータムをコーヒーに誘い、新たな「1日目」が始まるのです。

時系列バラバラの構成が魅力!見どころポイント

『(500)日のサマー』最大の特徴は、時系列をシャッフルした独特の構成ですよ。

映画は「○日目」という形で日数が表示されますが、順番通りには進みません。

幸せな日々と辛い別れのシーンが交互に描かれることで、トムの感情の揺れ動きがよりリアルに伝わってきます。

例えば、幸せなデートシーンの直後に、失恋して落ち込むトムのシーンが挿入されることで、観客は「いったい何があったんだろう」と興味を持ち続けられるのです。

また、「期待」と「現実」を画面分割で同時に見せる演出も見どころの一つ。

サマーのパーティーに参加するトムの妄想と現実が、左右に分かれて映し出されるシーンは印象的ですよ。

トムの理想と現実のギャップが視覚的に表現され、観る者の心に刺さります。

トムとサマーの恋愛観の違いがテーマ

この映画の核心は、トムとサマーの恋愛観の違いにあります。

運命を信じるトム

トムは子どもの頃から映画『卒業』を観て育ち、運命的な恋愛に憧れていました。

「運命の人」が必ずいると信じ、サマーこそがその人だと確信していたのです。

しかし、トムの恋愛観は理想に偏りすぎていて、目の前のサマーをきちんと見ていなかったのかもしれません。

トムは自分の頭の中で作り上げた「理想のサマー像」を愛していたとも言えるでしょう。

運命を信じないサマー

一方、サマーは幼い頃に両親の離婚を経験しており、「愛はフィクション」だと考えていました。

恋人関係になることで誰かの所有物になることを嫌い、自由でいたいと願っていたのです。

サマーはトムに対して最初から「真剣に付き合う気はない」と告げていましたが、トムはその言葉を軽く受け止めていました。

サマーはトムを傷つけるつもりはなく、ただ自分に正直に生きていただけなのです。

価値観のすれ違いが生んだ悲劇

トムとサマーのすれ違いは、お互いの恋愛観を理解しようとしなかったことから生まれました。

トムはサマーに自分の理想を押し付け、サマーはトムの真剣な気持ちを受け止めきれなかった。

恋愛には正解がなく、人それぞれ異なる価値観があることをこの映画は教えてくれますよ。

サマーはひどい女性?それとも自由な女性?

『(500)日のサマー』を観た多くの人が「サマーはひどい女性だ」という感想を持つようです。

しかし、本当にサマーは悪女なのでしょうか。

サマーは正直だった

サマーは最初から「真剣に付き合う気はない」とトムに伝えていました。

嘘をついたり、トムを騙したりしたわけではありません。

むしろ、自分の気持ちに正直で、誠実だったとも言えるでしょう。

トムがその言葉を軽く受け流し、自分の都合の良いように解釈してしまっただけなのです。

サマーの自由な生き方

サマーは恋愛に縛られず、自分らしく生きたいと願っていました。

それは自己中心的というよりも、自分の人生を大切にしたいという思いの表れです。

トムがサマーの価値観を尊重せず、自分の理想を押し付けようとしたことが、二人の関係を壊したとも考えられますよ。

トム視点で描かれていることを忘れずに

『(500)日のサマー』は、あくまでもトムの視点で描かれた物語です。

トムが見たサマー、トムが感じたサマーが映し出されているだけで、本当のサマーはもっと複雑な人物かもしれません。

トムの妄想や思い込みが入り混じっているからこそ、サマーが「ひどい女性」に見えてしまうのでしょう。

映画『卒業』が物語のカギを握る理由

『(500)日のサマー』の中で重要な役割を果たすのが、映画『卒業』です。

映画『卒業』とは

1967年に公開された『卒業』は、青年ベンジャミンが年上の女性ロビンソン夫人と関係を持ちながらも、その娘エレーンに恋をする物語。

結婚式当日、ベンジャミンは教会に駆け込み、エレーンを連れ出すという衝撃的なラストシーンが有名です。

トムはこの映画を「運命の恋が成就するハッピーエンド」だと解釈していました。

サマーの涙の意味

トムとサマーが一緒に『卒業』を観たとき、サマーは号泣しました。

トムは「ただの映画じゃないか」と他人事のように言いますが、サマーの涙には深い意味があったのです。

映画『卒業』のラストシーンは、バスに乗り込んだ二人が最初は笑顔だったのに、徐々に不安そうな表情に変わっていきます。

これは、愛の勝利の先に待つ現実の厳しさを暗示しているのです。

サマーは、理想と現実のギャップを感じ、自分の恋愛観が揺らいだのかもしれません。

トムとサマーの解釈の違い

トムは『卒業』をロマンチックな物語として受け取りましたが、サマーは現実の厳しさを感じ取りました。

この解釈の違いこそが、二人の恋愛観の違いを象徴していますよ。

トムは理想を追い求める夢見る青年、サマーは現実を見据えるリアリストなのです。

ラストシーンのオータムに込められた意味とは

『(500)日のサマー』のラストシーンで登場する女性「オータム(秋)」。

彼女の名前には、大きな意味が込められていますよ。

季節は巡る

サマー(夏)が去り、オータム(秋)がやってくる。

季節が巡るように、人の恋も移り変わっていくというメッセージが込められています。

トムがサマーとの500日を経験したことで、新たな恋に向かって一歩踏み出せたのです。

トムの成長

サマーとの恋愛では、トムは受け身で、理想を押し付けるだけでした。

しかし、オータムには自分から話しかけ、コーヒーに誘います。

これは、トムが成長した証拠ですよ。

失恋を経験し、自分自身と向き合ったトムは、以前とは違う姿でオータムの前に現れたのです。

新たな500日が始まる?

映画は「1日目」というテロップで終わります。

オータムとの新しい500日が始まるのか、それとも501日目以降も続くのか。

それは観る人の想像に委ねられていますよ。

トムが本当に成長したのなら、今度こそ相手をきちんと見て、お互いを尊重する関係を築けるかもしれませんね。

トムの成長を感じるポイント

『(500)日のサマー』は、トムの成長物語でもあります。

失恋から立ち直る過程

サマーに振られたトムは、一時期自暴自棄になりました。

しかし、妹や友人の支えを受け、自分自身と向き合う時間を持つことができたのです。

失恋をただの失敗で終わらせず、自分を見つめ直すきっかけにしたトムの姿は共感できますよ。

夢への再挑戦

サマーとの別れをきっかけに、トムは建築家という夢を思い出しました。

グリーティングカード会社を辞め、建築事務所への転職活動を始めたのです。

失恋が、トムの人生を前進させる原動力になったとも言えるでしょう。

相手を理解しようとする姿勢

サマーとの恋愛では、トムは自分の理想ばかりを押し付けていました。

しかし、ラストシーンでオータムに自ら話しかける姿は、相手を知ろうとする積極的な姿勢の表れです。

トムは、恋愛とは一方的なものではなく、お互いを理解し合うことだと学んだのでしょう。

『(500)日のサマー』を観た人の感想・評価

『(500)日のサマー』は、多くの人々に愛されている作品です。

実際に観た人たちの感想を見てみましょう。

共感できるリアルな恋愛描写

「こんな恋愛経験あるある!」と共感する声が多く寄せられています。

片思い、すれ違い、失恋…誰もが一度は経験する恋の痛みがリアルに描かれているからですよ。

特に、期待と現実のギャップを描いたシーンは、多くの人の心に刺さったようです。

時系列の構成が面白い

バラバラの時系列で物語が進む構成に対して、「最初は戸惑ったけど、だんだん引き込まれた」という感想が多いです。

自分の頭で物語を組み立てていく楽しさが、視聴体験を豊かにしていますよ。

サマーへの賛否両論

サマーのキャラクターについては、賛否両論があります。

「サマーはひどい」という意見もあれば、「サマーは悪くない。トムが勝手に期待しただけ」という意見もあります。

この議論が起こること自体が、この映画の奥深さを物語っていますね。

音楽とファッションも魅力

ザ・スミスやレジーナ・スペクターなど、おしゃれな音楽が映画を彩っています。

また、サマーのファッションが「かわいい」「真似したい」と評判ですよ。

映画全体のセンスの良さも、高評価の理由の一つでしょう。

『(500)日のサマー』はどこで見れる?配信情報まとめ

『(500)日のサマー』を観たいと思った方のために、配信情報をまとめました。

Disney+(ディズニープラス)で見放題配信中

現在、『(500)日のサマー』はDisney+で見放題配信されています。

Disney+に登録すれば、追加料金なしで何度でも視聴できますよ。

月額料金は1,140円(税込)で、ディズニー作品だけでなく、マーベルやスター・ウォーズ、20世紀フォックスの作品も楽しめます。

レンタル・購入も可能

Amazon Prime Video、Apple TV、FODプレミアム、Leminoなどで、レンタルまたは購入も可能です。

レンタル料金は300円〜500円程度で、購入は1,000円前後となっています。

一度だけ観たい方はレンタル、何度も観返したい方は購入を検討してみてくださいね。

無料トライアルを活用しよう

動画配信サービスには無料トライアル期間が用意されているものもあります。

DMM TVは14日間、TELASAも14日間の無料トライアルがありますよ。

この期間を利用して『(500)日のサマー』を楽しむのもおすすめです。

まとめ:『(500)日のサマー』はリアルで切ない恋愛映画

『(500)日のサマー』は、甘いだけではないリアルな恋愛を描いた作品です。

運命を信じるトムと、運命を信じないサマー。

二人のすれ違いは、私たちの恋愛にも通じるものがありますよ。

「恋愛に正解はない」「相手を理解することの大切さ」「失恋も成長のチャンス」といったメッセージが込められています。

時系列をシャッフルした独特の構成、おしゃれな音楽、印象的な映像演出も魅力の一つ。

観る人によって解釈が分かれる奥深さも、この映画が愛され続ける理由でしょう。

もしあなたが恋に悩んでいるなら、『(500)日のサマー』を観てみてください。

トムやサマーの姿に自分を重ね、恋愛について改めて考えるきっかけになるはずですよ。

そして、失恋を経験した人には、「次の季節(オータム)が必ずやってくる」というメッセージが心に響くでしょう。

Disney+や各種レンタルサービスで手軽に視聴できるので、ぜひこの週末に観てみてくださいね。

きっと、あなたの心に残る一本になるはずです。