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グラス・オニオン: ナイブズ・アウト2のあらすじ・感想・犯人を完全解説!見どころ満載

「グラス・オニオン: ナイブズ・アウト2」ってどんな映画?基本情報をチェック
2022年12月23日よりNetflixで独占配信されている「グラス・オニオン: ナイブズ・アウト」は、2019年に公開された「ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密」の続編にあたるミステリー映画です。
監督と脚本を手掛けるのは、前作に引き続きライアン・ジョンソン。
「007」シリーズでジェームズ・ボンド役を演じたダニエル・クレイグが、前作に引き続き名探偵ブノワ・ブランを演じています。
今回の舞台は、地中海に浮かぶギリシャのプライベートアイランド。
億万長者マイルズ・ブロン(エドワード・ノートン)が開催する「マーダー・ミステリー・パーティー」に招かれた面々が、本物の殺人事件に巻き込まれていく様子を描いています。
上映時間は139分で、じっくりと謎解きを楽しめる作品になっていますよ。
前作を観ていなくても大丈夫?続編だけど独立した物語
「続編」と聞くと、前作を観ていないと楽しめないのでは?と心配になる方もいるかもしれませんね。
でも安心してください。
本作は前作とストーリー上のつながりはほとんどありません。
共通しているのは、名探偵ブノワ・ブランが登場することだけなんです。
アガサ・クリスティの推理小説シリーズのように、同じ探偵が異なる事件を解決していくスタイルになっていますよ。
ですから、本作から観始めても十分に楽しめます。
もちろん、前作を観ておけばブラン探偵のキャラクターや推理スタイルがより理解できますし、シリーズとしての魅力も深まりますが、必須ではありません。
逆に本作を観てから前作に戻るのも、一つの楽しみ方と言えるでしょう。
あらすじ(ネタバレなし)地中海の孤島で起きた殺人事件
2020年5月、新型コロナウイルスのパンデミック真っ只中。
IT業界の億万長者マイルズ・ブロンは、ギリシャの孤島にある自身のプライベートアイランドに、古くからの友人たちを招待します。
招待されたのは、コネチカット州知事のクレア、ファッションデザイナーのバーディ、科学者のライオネル、YouTuberのデューク、そしてマイルズの元ビジネスパートナーであるアンディの5人とその関係者。
そして、なぜか世界的に有名な名探偵ブノワ・ブランも招待客の中に紛れ込んでいました。
マイルズは友人たちに「マーダー・ミステリー・パーティー」というゲームを用意していました。
自分が殺される設定で、犯人を当てるという推理ゲームです。
しかし、豪華な別荘「グラス・オニオン」で繰り広げられるはずだった楽しいゲームは、本物の殺人事件へと発展してしまいます。
名探偵ブランは、真相を解明できるのでしょうか。
そして真犯人の正体とは一体誰なのか。
地中海の孤島を舞台に、予想を裏切る展開が待ち受けていますよ。
詳細なあらすじ解説(ネタバレあり)事件の全貌を徹底紹介
ここからは、映画の核心に触れるネタバレを含む詳細なあらすじを紹介していきます。
まだ作品を観ていない方は、ご注意くださいね。
起:招待状が届き、孤島へ向かう面々
2020年5月、パンデミックにより自宅に引きこもっていた名探偵ブノワ・ブランのもとへ、一通の謎の木箱が届きます。
同じ頃、マイルズの友人であるクレア、バーディ、ライオネル、デュークのもとにも同様の木箱が届いていました。
木箱には複雑なパズルが仕込まれており、それを解くことで中から招待状が現れる仕組みになっています。
招待状には、ギリシャの孤島で開催される「マーダー・ミステリー・パーティー」への招待が記されていました。
そして、マイルズの元ビジネスパートナーであるアンディも、なぜか招待客の一人として船着き場に現れます。
しかし、アンディとマイルズは裁判で争った仲であり、他の友人たちも彼女に対してぎこちない態度を見せていました。
一行が島に到着すると、マイルズが豪華な別荘「グラス・オニオン」で出迎えます。
ブランを見たマイルズは「招待していない」と驚きますが、ブランが招待状を見せたことで滞在を許可することに。
マイルズは友人たちに、自身が開発した新固形水素燃料「クリア」や、ルーブル美術館から借りている本物の「モナ・リザ」を披露し、自慢げに語ります。
そして夕食の時間、いよいよ「マーダー・ミステリー・パーティー」が始まろうとしたその時、ブランがあっさりと謎を解いてしまい、マイルズのゲームは台無しになってしまいました。
承:第一の犠牲者デュークの死、そしてアンディも
ゲームが台無しになった後も、パーティーは続きます。
しかしブランは、マイルズに対して「ここに集まった者たちは皆、あなたを殺す動機を持っている」と忠告していました。
実際、招待された友人たちは皆、マイルズからの資金援助を受けており、彼の言いなりになるしかない立場だったのです。
クレアは州知事として、バーディはファッションブランドとして、ライオネルは科学者として、デュークはYouTuberとして、それぞれマイルズの支援なしでは成り立たない状況でした。
そんな中、突然デュークが倒れて死亡します。
マイルズのグラスを飲んだ直後のことでした。
毒殺の可能性が高く、さらにデュークの銃とスマホが行方不明になっていることが判明します。
そして突然の停電。
暗闇の中、何者かに銃で撃たれたアンディも死亡してしまいます。
孤島で起きた二つの殺人事件。
ブランは真相を追い始めますが、ここで物語は大きく時間を遡ることになります。
転:アンディの正体と事件の裏側が明らかに
実は、島に来ていた「アンディ」は本人ではありませんでした。
彼女の正体は、アンディの双子の妹ヘレンだったのです。
数日前、ヘレンはブランのもとを訪れ、姉アンディが自殺に見せかけて殺害されたと訴えました。
アンディは生前、マイルズとの創業アイデアを記した「紙ナプキン」を自宅で発見していました。
これは、マイルズがアンディのアイデアを盗んで会社を立ち上げたことを証明する証拠です。
アンディはこの証拠を使って、マイルズとその仲間たちを脅迫しようとしていました。
しかし、証拠を入れた赤い封筒を奪われ、その後自殺に見せかけて殺害されてしまったのです。
ブランは、ヘレンが姉に変装して島に潜入し、真犯人を炙り出す作戦を提案しました。
ヘレンは姉の日記を持って島に入り、裏でブランと協力しながら証拠を集めていたのです。
停電の際に銃撃されたヘレンでしたが、胸ポケットに入れていた姉の日記が銃弾を防ぎ、一命を取り留めていました。
そして、島中を捜索していたヘレンは、ついに赤い封筒を発見します。
結:真犯人はマイルズ!動機と犯行の手口
全ての証拠が揃い、ブランは真犯人がマイルズであることを断定します。
まず、デュークの殺害について。
デュークはスマホのGoogleアラートで「アンディの自殺」というニュースを目にしていました。
実はデュークは、アンディが死亡した当日、バイクで走行中にマイルズの高級車と接触事故を起こしかけていたのです。
つまり、マイルズがアンディの家に向かっていたことを知っていたのです。
デュークはこの情報を使ってマイルズを脅迫し、自身のYouTubeチャンネルをマイルズの傘下のメディアに掲載することを要求しました。
殺人に気づかれたと焦ったマイルズは、デュークの酒にパイナップルジュースを混ぜました。
デュークは重度のパイナップルアレルギーを持っており、これによってアナフィラキシーショックで死亡したのです。
そして、ヘレン(アンディに変装)の殺害について。
マイルズは、ブランが推理ゲームで提案した「停電と銃」というアイデアをそのまま実行しました。
停電を利用してデュークの銃を盗み、暗闇の中でヘレンを銃撃したのです。
すべてを暴かれたマイルズですが、ヘレンが発見した証拠の紙ナプキンを奪い取り、その場で燃やしてしまいます。
物的証拠がなくなり、ブランの推理だけでは法的に裁くことができない状況になってしまいました。
爽快なラスト!ヘレンの復讐と真実の勝利
万策尽きたかに見えたその時、ブランはヘレンに「アンディが会社を去った理由を思い出せ」と助言し、酒とクリアの破片を渡します。
ヘレンは酒を飲み干すと、グラス・オニオン内のガラスのオブジェを次々と破壊し始めました。
そして、マイルズが自慢していた本物の「モナ・リザ」にも火をつけてしまいます。
さらに、新固形水素燃料「クリア」を火に投げ込み、屋敷全体が大爆発を起こしました。
世界一有名な絵画「モナ・リザ」を焼いた新エネルギー。
こんな危険なものを世に出せるはずがありません。
マイルズのビジネスは完全に終わりました。
マイルズは友人たちに「ヘレンの犯行だと証言しろ」と命じますが、もはや彼らにマイルズの言いなりになる理由はありません。
クレア、バーディ、ライオネルは逆に「裁判でマイルズの犯行を証言する」と宣言します。
こうして、姉の無念を晴らしたヘレンと、真実を明らかにしたブランの勝利で物語は幕を閉じるのです。
キャスト・登場人物紹介!豪華俳優陣が勢揃い
ブノワ・ブラン(演:ダニエル・クレイグ)
本作の主人公である名探偵。
南部訛りの英語を話し、紳士的でありながらどこか胡散臭い雰囲気を持つキャラクターです。
優れた観察力と推理力で事件の真相を解き明かしていきます。
演じるダニエル・クレイグは、「007」シリーズの6代目ジェームズ・ボンド役で世界的に有名になったイギリス出身の俳優です。
本作では、ボンドとは正反対のコミカルで饒舌なキャラクターを演じ、その演技の幅広さを見せてくれていますよ。
マイルズ・ブロン(演:エドワード・ノートン)
IT業界の億万長者で、ギリシャの孤島に豪華な別荘を所有しています。
友人たちを招いて「マーダー・ミステリー・パーティー」を開催しますが、実は…。
演じるエドワード・ノートンは、「ファイト・クラブ」「アメリカン・ヒストリーX」などの名作に出演してきた実力派俳優です。
本作では、一見成功者に見えながら実態は…という難しい役柄を見事に演じています。
カサンドラ・ブランド/ヘレン・ブランド(演:ジャネール・モネイ)
マイルズの元ビジネスパートナーであるアンディと、その双子の妹ヘレン。
一人二役を演じ分け、物語の鍵を握る重要な役どころです。
演じるジャネール・モネイは、歌手としても活躍する女優で、「ムーンライト」「ドリーム」などの作品で高い評価を受けています。
本作では、双子の姉妹という難役を見事に演じ分けていますよ。
デューク・コーディ(演:デイヴ・バウティスタ)
筋肉質のYouTuberで、マイルズの支援を受けて活動しています。
演じるデイヴ・バウティスタは、元プロレスラーで、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」シリーズのドラックス役でも知られています。
本作では「アッセンブル!」というMCUファンには嬉しいセリフも登場しますよ。
クレア・デベラ(演:キャスリン・ハーン)
コネチカット州知事で、上院議員への立候補を目指しています。
アンディとは10年来の親友でしたが、裁判ではマイルズ側についてしまいました。
演じるキャスリン・ハーンは、MCUドラマ「ワンダヴィジョン」のアガサ役でも人気の女優です。
バーディ・ジェイ(演:ケイト・ハドソン)
元スーパーモデルで、現在はファッションデザイナーとして活動しています。
失言が多く、SNSで炎上しがちなキャラクター。
演じるケイト・ハドソンは、「あの頃ペニー・レインと」などで知られる女優です。
ライオネル・トゥーサン(演:レスリー・オドム・Jr.)
新進気鋭の科学者で、マイルズの新固形水素燃料「クリア」の開発に関わっています。
しかし、クリアの安全性に疑問を抱いており…。
「グラス・オニオン」というタイトルの意味を解説
「グラス・オニオン」とは、直訳すると「ガラスの玉ねぎ」という意味になります。
劇中では、マイルズの別荘にある球状のガラス張りの部屋の名前として使われていました。
しかし、このタイトルにはもっと深い意味が込められているんです。
まず、ビートルズの楽曲「グラス・オニオン」からの影響があります。
この曲の歌詞には、ビートルズの過去の楽曲のタイトルが散りばめられており、ファンたちは歌詞の意味を深読みして様々な解釈をしました。
しかし実際は、単なる言葉遊びであり、深読みしすぎるファンをからかうための曲だったそうです。
本作でも、何層にも重なる玉ねぎの皮のように複雑に見える事件が、実は中心は空洞=空っぽだったというオチになっています。
つまり、犯人のマイルズは一見成功者で頭が良さそうに見えますが、実際は他人のアイデアを盗んで成り上がっただけの「中身のない人間」だったということを暗示しているんですよ。
また、「ガラス」という言葉は、透けて見えることを意味しています。
名探偵ブランが、まるで全てがガラスのように透けて見えているかのような洞察力で真実を見抜いていく様子も表現されているんですね。
このように、タイトル一つとっても深い意味が込められている点が、本作の面白さの一つと言えるでしょう。
真犯人はマイルズ!動機と犯行手口を徹底分析
本作の真犯人は、億万長者のマイルズ・ブロンでした。
一見、頭が良くてカリスマ性のある成功者に見える彼ですが、実態は全く違っていたんです。
マイルズの正体は「ハッタリだけの中身のない男」
マイルズは自分自身でアイデアを生み出す能力がなく、全てアンディのアイデアを盗んで成功してきました。
創業のアイデアもアンディのものだったにもかかわらず、それを自分の手柄にして会社を大きくしてきたのです。
ブランは彼のことを「グラス・オニオンの透明な中心にいたのはただのバカ」と表現しました。
見た目は何層にも重なって複雑そうに見えるけれど、中心は空っぽだったということですね。
アンディ殺害の動機は「証拠隠滅」
アンディは、マイルズとの創業アイデアを記した「紙ナプキン」を自宅で発見しました。
これは、マイルズが彼女のアイデアを盗んで会社を立ち上げたことを証明する決定的な証拠です。
アンディはこの証拠を使って、マイルズとその仲間たち(クレア、バーディ、ライオネル、デューク)に脅迫メールを送っていました。
証拠が表に出れば、マイルズのビジネス帝国は崩壊してしまいます。
そのため、マイルズはアンディの家に侵入して証拠を奪い、彼女を自殺に見せかけて殺害したのです。
デューク殺害の動機は「口封じ」
デュークは、アンディが死亡した日にバイクで走行中、マイルズの高級車と接触事故を起こしかけていました。
つまり、マイルズがアンディの家に向かっていたことを知っていたのです。
パーティー中、デュークはスマホのGoogleアラートで「アンディの自殺」のニュースを見ました。
そこで、マイルズが殺人を犯したことに気づき、自身のYouTubeチャンネルをマイルズ傘下のメディアに掲載することを条件に脅迫しようとしたんです。
焦ったマイルズは、デュークの酒にパイナップルジュースを混ぜてアレルギー反応を起こさせ、殺害しました。
犯行手口は「ブランのアイデアをそのまま真似た」
マイルズの犯行手口は、まさに彼の「中身のなさ」を象徴しています。
ヘレン(アンディに変装)を殺害する際、マイルズは自分で手口を考えることができず、ブランが推理ゲームで提案した「停電と銃を使った殺人」というアイデアをそのまま実行したのです。
創造性のない彼は、犯罪においても他人のアイデアを盗むことしかできなかったんですね。
このように、本作の犯人は「無能だからこそ予測不可能」という、従来のミステリー映画とは一味違う設定になっています。
本作の見どころと魅力ポイントを紹介
豪華なキャストと舞台設定
本作最大の魅力の一つは、何と言っても豪華なキャスト陣です。
ダニエル・クレイグ、エドワード・ノートン、デイヴ・バウティスタなど、ハリウッドを代表する俳優たちが一堂に会しています。
さらに、サプライズゲストとしてヒュー・グラント、イーサン・ホーク、ジャレッド・レト、セリーナ・ウィリアムズなども登場するんですよ。
舞台となるギリシャの孤島や豪華な別荘「グラス・オニオン」も見応えがあり、まるでバケーションに出かけたような気分を味わえます。
二段構造のストーリー展開
前半と後半で視点が変わる二段構造のストーリー展開も見どころです。
前半では事件の表側を、後半ではヘレンとブランの視点から裏側を描くことで、「あの時あのシーンの裏ではこんなことが起きていたのか!」という驚きを味わえます。
一度観た後にもう一度最初から観たくなる、そんな作品になっていますよ。
細かく散りばめられた伏線の数々
本作は、細部にまで伏線が張り巡らされています。
ホットチリソース、パイナップルアレルギー、アンディの日記、モナ・リザ、クリア、デュークのライターなど、劇中に登場した小道具や会話の全てが最後まで使われます。
何気ないシーンやセリフが後々重要な意味を持ってくるので、細かい部分まで見逃せませんよ。
現代社会への痛烈な風刺
本作は、単なるミステリー映画ではありません。
マイルズという「中身のない権力者」と、それに群がる人々の関係は、現代社会の構造を痛烈に風刺しています。
SNSでの炎上、インフルエンサー文化、政治家の忖度、科学者の葛藤など、現代ならではの問題が巧みに織り込まれているんです。
お金や権力に目がくらんで真実を見失う人々と、それに立ち向かう主人公たちの姿は、私たち観客に「あなたはどちら側なのか」と問いかけてきますよ。
爽快なラストシーン
本作のラストは、従来のミステリー映画にはない爽快感があります。
推理だけでは犯人を裁けない状況で、ヘレンが実力行使に出るシーンは圧巻です。
ガラスのオブジェを次々と破壊し、モナ・リザまで燃やしてしまう展開は、まるで現代社会の虚飾を全て打ち砕くかのよう。
観終わった後にスカッとした気分になれる、そんなラストになっていますよ。
「グラス・オニオン」を観た感想と評価
本作を観て最も印象的だったのは、脚本の巧みさです。
一見複雑に見える物語が、実はシンプルな構造になっているという「グラス・オニオン」の意味そのものを体現したストーリー展開は見事でした。
前作「ナイブズ・アウト」と比較すると、ミステリーとしての意外性は少なかったかもしれません。
犯人がマイルズだとわかってからの驚きは薄く、他の登場人物たちが容疑者として描かれていない点は物足りなさを感じる部分もありました。
しかし、それこそが本作の狙いなんですよね。
「無能な犯人による犯行だからこそ、ミステリーとして物足りない」という逆説的な構造になっているんです。
ダニエル・クレイグの演技も相変わらず素晴らしく、ボンドとは全く違うキャラクターを演じ分けています。
南部訛りの英語、コミカルな表情、それでいて鋭い観察眼を持つブラン探偵は、シリーズのアイコンとして定着しましたね。
また、現代社会への風刺も効いていました。
SNSでの炎上、インフルエンサーの浅はかさ、権力者への忖度など、「あるある」と思わせる描写が随所に散りばめられています。
特にマイルズという「裸の王様」的なキャラクターは、現実世界にも存在しそうなリアリティがありました。
ラストのヘレンによる復讐シーンは圧巻でしたね。
モナ・リザを燃やすという暴挙に出ることで、マイルズのビジネスを完全に終わらせる展開は、観ていてスカッとしました。
法的には問題がある行動かもしれませんが、物語としては非常に爽快なエンディングだったと思います。
総合的に見て、前作とは異なる魅力を持った作品に仕上がっていますよ。
ミステリーとしての純度よりも、エンターテインメント性と社会風刺を重視した作りになっており、幅広い層が楽しめる映画だと感じました。
前作「ナイブズ・アウト」との違いと共通点
共通点:探偵と女性のコンビ、上位カーストの転落
本作は前作と似た構造を持っています。
名探偵ブノワ・ブランと、事件に巻き込まれた女性(前作はマルタ、本作はヘレン)がコンビを組むという設定は共通です。
また、富裕層や特権階級が転落していくという展開も同じですね。
前作では大富豪の家族が、本作ではIT業界の億万長者とその取り巻きが、それぞれ没落していく様子が描かれています。
違い:舞台の開放感とコメディ要素の増加
前作は閉ざされた洋館という古典的なクローズドサークルでしたが、本作は開放的なギリシャの孤島が舞台です。
視覚的にも華やかで、バケーション映画のような雰囲気がありますよ。
また、コメディ要素も前作より増えています。
デイヴ・バウティスタの「アッセンブル!」発言や、豪華なサプライズゲストの登場など、笑える場面が多く盛り込まれています。
ミステリーとしての完成度は前作が上?
純粋なミステリー映画として比較すると、前作の方が完成度が高いと感じる人も多いかもしれません。
前作は緻密なトリックと意外な展開で、最後まで犯人が読めない構成になっていました。
一方、本作は「無能な犯人」というテーマのため、ミステリーとしての意外性は薄めです。
ただし、二段構造のストーリー展開や細かい伏線の張り巡らせ方は、本作の方が洗練されていると言えるでしょう。
どちらが好みかは観る人次第ですが、両作品ともそれぞれの魅力があり、どちらも観る価値がありますよ。
こんな人におすすめ!視聴前にチェック
ミステリー映画が好きな人
古典的なミステリーの要素を残しつつ、現代的にアレンジされた本作は、ミステリーファンなら楽しめるはずです。
アガサ・クリスティの作品が好きな人には特におすすめですよ。
豪華キャストの演技を楽しみたい人
ダニエル・クレイグ、エドワード・ノートン、ジャネール・モネイなど、実力派俳優たちの演技合戦が見られます。
それぞれのキャラクターが個性的で、演じている俳優たちも生き生きとしていますよ。
社会風刺が効いた作品が好きな人
現代社会の問題点を痛烈に風刺した内容になっているので、そういった要素が好きな人にはピッタリです。
ただのエンターテインメントだけでなく、考えさせられる部分もありますよ。
前作を観て楽しめた人
前作が好きだった人なら、本作も間違いなく楽しめます。
ブラン探偵の新たな活躍を見られるだけでなく、シリーズとしての進化も感じられるでしょう。
スカッとする映画が観たい人
ラストの爽快感は格別です。
日頃のストレスを発散したい人、スカッとする展開が好きな人には特におすすめですよ。
まとめ:「グラス・オニオン」は現代的ミステリーの傑作
「グラス・オニオン: ナイブズ・アウト2」は、古典的なミステリーの要素を保ちながらも、現代社会への痛烈な風刺を盛り込んだエンターテインメント作品です。
豪華なキャスト、開放的な舞台設定、二段構造のストーリー展開、そして爽快なラストシーンと、見どころ満載の2時間19分になっていますよ。
真犯人が「無能だからこそ予測不可能」という逆説的な設定は賛否あるかもしれませんが、それこそが本作のテーマなんです。
一見複雑そうに見えても中身は空っぽ、そんな「グラス・オニオン」のような存在が現代社会にはたくさんいると、本作は私たちに問いかけてきます。
Netflixで配信中なので、まだ観ていない方はぜひチェックしてみてくださいね。
前作を観ていなくても十分楽しめますし、観た後にはきっと前作も観たくなるはずです。
名探偵ブノワ・ブランの活躍を、存分に楽しんでください。
そして、あなたも「グラス・オニオン」の謎を解き明かしてみませんか?
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