ロゴ

TOP > 天国と地獄のあらすじと感想を徹底解説!映画版とドラマ版の違いも紹介

天国と地獄のあらすじと感想を徹底解説!映画版とドラマ版の違いも紹介

「天国と地獄」とは?映画版とドラマ版の違いを知っておこう

「天国と地獄」と聞いて、あなたはどちらの作品を思い浮かべますか。

実はこのタイトル、日本映画史に残る黒澤明監督の傑作映画(1963年)と、綾瀬はるか・高橋一生主演の話題のドラマ(2021年)、2つの全く異なる作品が存在するんです。

映画版の「天国と地獄」は、製靴会社の重役が巻き込まれる誘拐事件を描いた骨太のサスペンス作品ですよ。

一方、ドラマ版の「天国と地獄~サイコな2人~」は、正義感あふれる女性刑事と冷酷な殺人鬼の魂が入れ替わるという斬新な設定で視聴者を魅了しました。

どちらも「天国と地獄」というタイトルながら、ストーリーも世界観も全く異なる作品です。

この記事では、両作品のあらすじから感想、見どころまで詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお付き合いくださいね。

黒澤明監督「天国と地獄」(1963年映画)のあらすじをネタバレ解説

まずは、黒澤明監督が手掛けた映画版「天国と地獄」のあらすじを詳しく見ていきましょう。

この作品は、エド・マクベインの小説『キングの身代金』を原作に、日本の社会背景を巧みに織り込んだ傑作サスペンス映画です。

誘拐事件の発生と身代金要求

横浜の丘の上に豪邸を構える製靴会社「ナショナル・シューズ」の常務・権藤金吾(三船敏郎)。

彼は会社の株を買い占めて経営権を握ろうと計画していました。

そんなある日、権藤のもとに「息子を誘拐した、身代金3000万円を用意しろ」という脅迫電話がかかってきます。

しかし、権藤の息子・純は無事に家にいたんです。

誘拐されたのは、権藤家に住み込みで働く運転手・青木の息子・進一でした。

犯人は権藤の息子と間違えて進一を誘拐してしまったのです。

権藤は警察に通報しますが、犯人は「間違えたがそれでもいい。権藤が身代金を払え」と要求してきます。

権藤にとって、この3000万円は会社の株を買い占めるための全財産です。

これを失えば、自分の地位も生活も全て失ってしまいます。

他人の子供のために全財産を投げ出すべきか、それとも自分の人生を守るべきか。

権藤は究極の選択を迫られることになるんですよ。

特急こだまでの緊迫の身代金受け渡し

苦悩の末、権藤は身代金を払う決断をします。

犯人の指示通り、特急こだま号に乗り込む権藤と警察の捜査チーム。

車内で再び犯人から電話がかかり、「酒匂川の鉄橋を通過するときに、洗面所の窓から鞄を投げ落とせ」と指示されます。

洗面所の窓は、指定されたサイズの鞄がちょうど通る大きさでした。

権藤は車窓から進一の姿を確認し、身代金の入った鞄を投げ落とします。

進一は無事に保護されましたが、犯人は巧妙に逃走してしまいました。

このシーンの緊張感は、映画史に残る名場面として今でも語り継がれていますよ。

犯人逮捕までの地道な捜査パート

戸倉警部(仲代達也)率いる捜査班は、犯人の手がかりを必死に探します。

電話の録音テープから特徴的な電車の音を分析し、犯人のアジトを突き止めますが、そこにいた共犯者の男女2人はヘロイン中毒ですでに死亡していました。

戸倉は、主犯が確実に死刑になるよう、あえて「共犯者は生きている」という嘘の情報を新聞に流します。

焦った犯人は身代金の入っていた鞄を焼却しますが、鞄には燃やすと牡丹色の煙が出る特殊な加工が施されていたんです。

この煙を頼りに、捜査班はついに犯人を特定します。

犯人は、権藤邸の近くに住むインターン医師の竹内銀次郎(山崎努)でした。

戸倉は竹内をあえて泳がせ、さらなる殺人を犯させて確実に死刑にしようとします。

竹内はヘロイン中毒の女性を旅館に連れ込み、致死量のヘロインを投与して殺害したところを逮捕されました。

衝撃のラストシーン

死刑が確定した竹内は、権藤との面会を希望します。

面会室で対面する2人。

竹内は「高台の豪邸に住む権藤は天国、安アパートに住む自分は地獄だった」と語り、権藤への憎悪を吐露するんです。

「死刑も地獄も怖くない」と強がる竹内でしたが、次第に身体が震え始め、ついには金網に掴みかかって絶叫します。

竹内は刑務官に取り押さえられ、2人の間にシャッターが降ろされて映画は終わりますよ。

このラストシーンは、格差社会の闇と人間の業を象徴する圧倒的な場面として、多くの観客に強烈な印象を残しました。

映画版「天国と地獄」の感想と見どころ

映画「天国と地獄」を実際に観た人たちからは、どんな感想が寄せられているのでしょうか。

見どころと合わせて詳しく解説していきますね。

社会格差を描いた重厚なテーマ性

この映画の最大の魅力は、単なるサスペンスを超えた深いテーマ性にあります。

高台の豪邸に住む権藤と、貧民街に住む犯人・竹内。

この対比が、まさに「天国と地獄」というタイトルを体現しているんですよ。

竹内が犯行に及んだ動機は、単なる金銭目的ではありません。

毎日権藤の豪邸を見上げながら暮らす中で、自分との圧倒的な格差に絶望し、憎悪が膨れ上がっていったのです。

1963年の作品でありながら、現代にも通じる格差社会の問題を鋭く描いた点が高く評価されています。

観た人からは「60年前の作品とは思えないリアリティ」「今こそ観るべき社会派サスペンス」といった声が多く寄せられていますよ。

三船敏郎と山崎努の圧巻の演技

主演の三船敏郎の演技は、まさに圧倒的です。

他人の子供のために全財産を投げ出すか苦悩する姿、そして事件解決後も割り切れない複雑な表情。

セリフだけでなく、表情や仕草で権藤の内面を見事に表現しています。

そして、犯人役の山崎努の存在感も忘れてはいけません。

特にラストの面会シーンでの演技は、多くの観客の記憶に焼き付いているでしょう。

「死刑も怖くない」と強がりながら、次第に恐怖に支配されていく様子は、見ている側の心も揺さぶられますよ。

緻密な捜査描写も見どころの一つです。

電話の音から場所を特定したり、特殊な鞄の仕掛けを使ったり、当時としては画期的な科学捜査の手法が描かれています。

前半の密室劇のような緊張感と、後半の地道な捜査パートのバランスも絶妙ですね。

ドラマ「天国と地獄~サイコな2人~」(2021年)のあらすじをネタバレ解説

続いて、2021年にTBS系日曜劇場で放送されたドラマ版のあらすじを見ていきましょう。

こちらは映画版とは全く異なる、魂の入れ替わりという斬新な設定が特徴です。

刑事と殺人鬼が入れ替わる衝撃の設定

主人公は警視庁捜査一課の刑事・望月彩子(綾瀬はるか)。

正義感が強く一直線な性格ですが、慌てん坊で失敗も多く、周囲からは煙たがられています。

ある朝、電車の中で偶然出会った男性・日高陽斗(高橋一生)からマスクをもらった彩子。

その後、猟奇的な連続殺人事件が発生し、彩子は捜査の過程で日高が重要参考人だと突き止めます。

日高は創薬ベンチャー企業の若き社長ですが、その裏の顔は冷酷なサイコパスの殺人鬼だったんです。

彩子が日高を問い詰めようと彼のマンションを訪れたとき、事件は起こりました。

2人は階段から転げ落ち、その瞬間に魂が入れ替わってしまったのです。

正義の刑事と冷酷な殺人鬼。

善と悪、女と男、天国と地獄が文字通り逆転してしまいました。

入れ替わった2人の苦悩と協力

日高の身体になってしまった彩子(演:高橋一生)は、絶望します。

自分の身体で日高が殺人を犯してしまえば、自分が犯罪者になってしまうからです。

一方、彩子の身体になった日高(演:綾瀬はるか)は、冷静に状況を分析し、彩子に取引を持ちかけます。

「出頭して一生を塀の中で過ごすか、それとも協力して容疑を晴らすか」

選択肢のない彩子は、日高と協力せざるを得なくなります。

物語が進むにつれ、日高は本当にサイコパスなのか、それとも誰かを守るために殺人を犯しているのか、彩子は疑問を抱くようになるんですよ。

同僚の八巻(溝端淳平)が入れ替わりに気づき、彩子の味方になってくれますが、状況は二転三転します。

日高の身体で新たな殺人が起こり、彩子はさらに追い詰められていくのです。

真犯人の正体と衝撃の結末

物語の終盤、真犯人は日高の生き別れになっていた双子の兄・東朔也(迫田孝也)だったことが判明します。

日高は兄の罪を被っていたのです。

東は病気で余命わずかだったため、日高への恨みを晴らそうと連続殺人を犯していました。

彩子と日高は協力して東を追い詰め、真実が明らかになります。

東の死後、2人は再び入れ替わりに成功し、元の身体に戻ることができました。

日高は証拠隠滅などの罪で3年の実刑判決を受け入れ、刑務所へ移送されます。

彩子は事件解決の手柄と捜査中の行動が差し引きとなって、警察学校へ異動させられることになりました。

そして最後、またも2人は入れ替わってしまうという衝撃のラストで幕を閉じるんですよ。

視聴者からは「続編希望!」「もう一度入れ替わったの!?」と驚きの声が続出しました。

ドラマ版「天国と地獄」の感想と見どころ

ドラマ「天国と地獄~サイコな2人~」は、初回視聴率16.8%を記録し、最終回まで高い人気を維持しました。

視聴者からはどんな感想が寄せられたのでしょうか。

綾瀬はるかと高橋一生の演技力が凄い

このドラマ最大の見どころは、何といっても綾瀬はるかと高橋一生の演技力です。

綾瀬はるかが演じる「日高が入った彩子」は、目力が強く、冷静で計算高い表情を見せます。

普段のドジな彩子とは全く異なる雰囲気で、視聴者からは「綾瀬さんの目つきが怖すぎる」「完全に高橋一生になってる」と絶賛の声が上がりました。

一方、高橋一生が演じる「彩子が入った日高」は、女性特有の仕草や慌てふためく様子を見事に表現しています。

「高橋一生が女性にしか見えない」「演技力の化け物」といった感想が多数寄せられていますよ。

入れ替わりものは演技力が試される設定ですが、2人ともその期待を遥かに超える演技を見せてくれました。

予測不可能な展開と毎週の考察が楽しい

ドラマは毎回新たな謎が提示され、視聴者の予想を裏切る展開が続きました。

日高は本当に犯人なのか、共犯者がいるのか、入れ替わりはどうすれば戻るのか。

SNSでは毎週放送後に視聴者による考察合戦が繰り広げられ、大きな話題となりました。

「展開が読めなくて毎週ドキドキする」「考察するのが楽しい」といった声が多く、ドラマを楽しむだけでなく、考える楽しさも提供してくれた作品です。

また、柄本佑演じる居候の陸、北村一輝演じるベテラン刑事の河原など、脇を固めるキャストも魅力的でしたね。

森下佳子脚本のオリジナル作品ということで、原作がない分、先が読めないスリルも大きな魅力となりました。

「天国と地獄」が視聴できるVOD配信サービスを確認しよう

「天国と地獄」を今すぐ観たいと思ったあなたに、視聴できるVOD配信サービスをご紹介しますね。

映画版「天国と地獄」(1963年)は、U-NEXT、Amazon Prime Video、Huluなどの主要な動画配信サービスで視聴可能です。

U-NEXTでは見放題配信されているので、31日間の無料トライアル期間を利用すれば無料で視聴できますよ。

ドラマ版「天国と地獄~サイコな2人~」(2021年)も、U-NEXT、Amazon Prime Video、Hulu、Paraviなどで配信されています。

各サービスによって配信状況は変わることがあるので、事前に公式サイトで確認してから登録するのがおすすめです。

特にU-NEXTは映画版もドラマ版も両方視聴できるので、まとめて楽しみたい方には最適なサービスと言えるでしょう。

無料トライアル期間を上手に活用して、お得に視聴してくださいね。

まとめ:どちらの「天国と地獄」から観るべき?あなたに合った選び方

ここまで、映画版とドラマ版、2つの「天国と地獄」について詳しく解説してきました。

どちらから観るべきか迷っているあなたに、選び方のポイントをお伝えしますね。

重厚な人間ドラマと社会派サスペンスが好きなら、断然黒澤明監督の映画版がおすすめです。

格差社会というテーマは現代にも通じるものがありますし、映画史に残る名作を体験できる貴重な機会ですよ。

一方、予測不可能な展開と演技力を楽しみたいなら、ドラマ版を選びましょう。

入れ替わりという設定がもたらすサスペンスと、綾瀬はるか・高橋一生の圧巻の演技は見逃せません。

もちろん、時間があれば両方観るのがベストです。

同じタイトルでも全く異なる2つの作品を比較しながら楽しむのも、また格別な体験になるでしょう。

どちらの作品も、観終わった後に深い余韻が残る傑作です。

あなたもぜひ、VOD配信サービスを利用して「天国と地獄」の世界に浸ってみてくださいね。

きっと、観て良かったと思える作品に出会えるはずですよ。