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ジョジョ・ラビットのあらすじ&感想まとめ!ネタバレありで結末まで解説

映画『ジョジョ・ラビット』ってどんな作品?基本情報をチェック
『ジョジョ・ラビット』は、2019年に公開されたアメリカ・ドイツ合作の戦争コメディ映画です。
第二次世界大戦末期のドイツを舞台に、ナチスに傾倒する10歳の少年ジョジョが、ユダヤ人少女との出会いを通じて価値観を変えていく姿を描いています。
監督・脚本は『マイティ・ソー バトルロイヤル』で知られるタイカ・ワイティティが務め、自らジョジョの空想上の友人であるアドルフ・ヒトラー役も演じました。
第92回アカデミー賞では脚色賞を受賞し、作品賞や助演女優賞など複数部門にノミネートされた高評価作品です。
作品データ
原題は「Jojo Rabbit」で、上映時間は108分。
日本では2020年1月に劇場公開され、多くの映画ファンの心を掴みました。
原作はクリスティン・ルーネンズの小説『Caging Skies』ですが、映画版は独自の演出とユーモアを加えることで、より幅広い層に受け入れられる作品に仕上がっていますよ。
豪華キャスト陣
主人公ジョジョ役にはローマン・グリフィン・デイビス、ユダヤ人少女エルサ役にはトーマシン・マッケンジー、母ロージー役にはスカーレット・ヨハンソンが起用されています。
特にスカーレット・ヨハンソンは母親役として温かさと強さを見事に表現し、アカデミー助演女優賞にノミネートされました。
キャプテンK役のサム・ロックウェルも、体制側でありながら良心を持った軍人を繊細に演じ、作品に深みを加えています。
『ジョジョ・ラビット』のあらすじ(ネタバレなし)
ここでは、ストーリーの大まかな流れをネタバレなしでご紹介します。
第二次世界大戦末期のドイツに暮らす10歳の少年ジョジョは、ヒトラーに憧れ、ヒトラーユーゲント(ナチスの青少年組織)の訓練キャンプに参加します。
彼の空想の友人は、なんとアドルフ・ヒトラー本人。
ジョジョはヒトラーに励まされながら、立派なナチス兵士になることを夢見ていました。
しかし訓練中の事故で大怪我を負い、前線から外されてしまいます。
失意のまま自宅で療養していたジョジョは、ある日、母ロージーが屋根裏部屋に匿っていたユダヤ人少女エルサの存在に気づいてしまいます。
ジョジョにとってユダヤ人は「敵」そのもの。
最初は恐怖と嫌悪感でいっぱいでしたが、エルサとの会話を重ねるうちに、彼女が自分と同じ人間であることに気づき始めます。
やがてジョジョの心には、ナチスの教えとは異なる感情が芽生えていくのです。
物語は笑いと涙、そして衝撃的な展開を経て、希望に満ちたラストへと進んでいきますよ。
『ジョジョ・ラビット』の詳細なあらすじ(ネタバレあり)
ここからは、結末を含む詳細なあらすじを解説していきます。
まだ映画をご覧になっていない方はご注意ください。
訓練キャンプと「ジョジョ・ラビット」というあだ名
10歳のジョジョは、空想の友人ヒトラーに励まされながらヒトラーユーゲントの訓練キャンプに参加します。
訓練は厳しく、少年たちは射撃や手榴弾投擲などを学びました。
ある日、教官から「ウサギを殺せ」という命令が下されますが、心優しいジョジョはウサギを殺すことができず、仲間たちから「ジョジョ・ラビット」と臆病者扱いされてしまいます。
挽回しようと手榴弾を投げた際、跳ね返った手榴弾が自分の足元で爆発し、ジョジョは顔と足に大怪我を負ってしまいました。
屋根裏のユダヤ人少女エルサとの出会い
怪我の療養のため自宅に戻ったジョジョは、ある日屋根裏部屋で物音を聞きます。
亡くなった姉の部屋の隠し扉を開けると、そこには10代のユダヤ人少女エルサが隠れていました。
母ロージーがこっそり匿っていたのです。
最初はパニックになるジョジョでしたが、エルサは「通報すれば母親も共犯になる」と脅し、ジョジョは秘密を守ることに同意します。
ジョジョはナチスの教えに従い、エルサから「ユダヤ人の秘密」を聞き出そうとしますが、会話を重ねるうちに彼女が普通の女の子であることに気づき始めます。
母ロージーの処刑という衝撃
母ロージーは、明るく自由を愛する女性でした。
彼女は息子ジョジョに「人生を楽しむこと」「自由に生きること」の大切さを教えようとしていました。
しかしある日、ジョジョが街の広場を歩いていると、絞首刑にされた人々の姿が目に入ります。
そしてその中に、見覚えのある赤い靴が。
それは母ロージーの靴でした。
母は反ナチス活動を行っていたため、処刑されてしまったのです。
このシーンは、カメラが母の顔を映さず、ただ靴と足だけを映すことで、観客に強烈な衝撃を与えます。
ジョジョは母の靴紐を必死に結び直そうとしますが、母はもう二度と帰ってきません。
戦争の終結とキャプテンKの犠牲
やがてドイツ軍は劣勢に立たされ、街にも連合軍が迫ってきます。
少年たちまでもが兵士として駆り出される状況の中、ジョジョも戦場に送り込まれました。
そんな中、ジョジョの上官であるキャプテンKは、ジョジョがユダヤ人を匿っていることを察しながらも、彼を守るために嘘をついてくれていました。
市街戦の最中、ジョジョは連合軍に捕まりそうになりますが、キャプテンKは「こいつはユダヤ人だ」と嘘をつき、ジョジョのナチス軍服を脱がせて彼を逃がします。
その直後、キャプテンKは連合軍に銃殺されてしまいました。
希望に満ちたラストシーン
戦争が終わり、ジョジョは家に戻ります。
エルサと離れたくないジョジョは、一度「ドイツが勝った」と嘘をついてしまいますが、すぐに真実を告げます。
空想の友人ヒトラーが再び現れますが、ジョジョは「ファック・オフ、ヒトラー!」と叫び、彼を心の中から追い出しました。
ジョジョはエルサの靴紐を結び、二人は外の世界へ出ます。
そして、デヴィッド・ボウイの『Heroes』(ドイツ語版)が流れる中、二人は自由を喜び合うように踊り始めるのです。
このラストシーンは、戦争の終わりと自由の始まり、そして希望に満ちた未来を象徴していますよ。
『ジョジョ・ラビット』を観た感想と見どころ
ここからは、実際に映画を観た感想と、作品の見どころを深掘りしていきます。
ブラックユーモアと感動が共存する独特の世界観
この映画の最大の特徴は、戦争という重いテーマをコメディとして描きながらも、決して軽薄にならない点です。
序盤はテンポの良いギャグやヒトラーユーゲントの訓練シーンなど、笑える場面が続きます。
しかし物語が進むにつれて、母の処刑や市街戦など、戦争の残酷さが容赦なく描かれていきます。
笑いと涙、ユーモアと悲劇が見事に融合しており、観終わった後には深い余韻が残りますよ。
子どもの視点から描く戦争の恐ろしさ
10歳の少年ジョジョの目を通して描かれることで、戦争のプロパガンダや洗脳の恐ろしさが際立ちます。
彼はナチスの教えを純粋に信じ込んでおり、ユダヤ人を「怪物」のように恐れていました。
しかしエルサとの出会いを通じて、教え込まれた偏見が崩れていく過程が丁寧に描かれています。
子どもの視点だからこそ、観客は戦争の不条理さをより強く感じることができるのです。
靴紐のシーンが象徴する母の愛
作品の中で最も心に残るシーンの一つが、母ロージーの処刑を示唆する「靴紐」のシーンです。
カメラは母の顔を映さず、ただ赤い靴と垂れ下がった足だけを映します。
ジョジョは母の靴紐を必死に結び直そうとしますが、もう母は帰ってきません。
このシーンは、言葉や説明を一切使わず、映像だけで強烈な感情を伝える名シーンです。
そして物語の最後、ジョジョはエルサの靴紐を結んであげます。
母から受け継いだ愛と優しさを、次の誰かへと繋いでいく象徴的な場面ですよ。
ラストのダンスシーンが伝える希望
映画のラストシーンでは、ジョジョとエルサが外の世界で踊ります。
流れるのはデヴィッド・ボウイの『Heroes』(ドイツ語版)。
この曲の歌詞には「僕らは英雄になれる、たとえ一日だけでも」という意味が込められています。
二人のダンスは、戦争の終わりと自由の喜び、そしてこれから自分たちの意思で生きていくという決意を表しています。
笑いと涙を経て辿り着いたこのラストシーンは、観客の心に深い希望を残してくれますよ。
登場人物の魅力と演技の素晴らしさ
『ジョジョ・ラビット』の魅力は、個性豊かなキャラクターたちにもあります。
主人公ジョジョの純粋さと成長
10歳の少年ジョジョは、最初はナチスに心酔する少年として描かれます。
しかしエルサとの出会いや母の死を経験し、彼の価値観は大きく変化していきます。
演じたローマン・グリフィン・デイビスは、子どもらしい無垢さと内面の葛藤を見事に表現していました。
ユダヤ人少女エルサの強さと優しさ
エルサは、隠れ住む生活を強いられながらも、決して心まで折れることはありませんでした。
ジョジョの偏見をユーモアで崩し、彼に新しい視点を与える存在です。
トーマシン・マッケンジーの繊細な演技が、エルサの強さと儚さを見事に表現していますよ。
母ロージーの温かさと信念
母ロージーは、明るく自由を愛する女性でした。
エルサを命懸けで匿い、息子ジョジョには「人生を楽しむこと」を教え続けます。
スカーレット・ヨハンソンは、母としての温かさと反ナチスとしての強い信念を持つ女性を見事に演じ、アカデミー助演女優賞にノミネートされました。
キャプテンKの二面性
ナチス軍の教官でありながら、良心を持ち続けたキャプテンK。
彼はエルサの存在を見逃し、最後にはジョジョを救うために自らを犠牲にします。
サム・ロックウェルの演技は、体制側にいながらも人間らしさを失わない男の複雑な心情を表現していました。
空想の友人アドルフ・ヒトラー
監督のタイカ・ワイティティ自身が演じたヒトラーは、ジョジョの心が作り出した「理想化された権威」です。
最初は陽気で励ましてくれる存在でしたが、ジョジョの成長とともに過激さを増し、最後には追い出されます。
このキャラクターは、洗脳の構造をコメディとして可視化した見事な演出ですよ。
象徴的なシーンの深い意味を考察
『ジョジョ・ラビット』には、いくつもの象徴的なシーンが散りばめられています。
靴紐が象徴する成長と継承
作品全体を通じて、靴紐は重要なモチーフとして繰り返し登場します。
序盤では、母ロージーがジョジョに靴紐の結び方を教えるシーンがあります。
そして母の処刑シーンでは、ジョジョが母の靴紐を結び直そうとします。
最後には、ジョジョがエルサの靴紐を結んであげる場面が描かれます。
靴紐を結ぶという行為は、「歩き出す準備」や「誰かを支える行為」を象徴しており、母の愛が次の世代へと受け継がれていく様子を表していますよ。
母の処刑シーンの衝撃的な演出
母ロージーの処刑シーンは、直接的な描写を避けることで、かえって強烈な印象を残します。
カメラは母の顔を映さず、ただ赤い靴と垂れ下がった足だけを映し出します。
この「見せない演出」が、観客の想像力を刺激し、戦争の残酷さをより深く伝えているのです。
ヒトラー像の変化が示す価値観の転換
ジョジョの空想の友人ヒトラーは、物語が進むにつれて変化していきます。
最初は陽気で励ましてくれる存在でしたが、ジョジョがエルサと親しくなるにつれて、ヒトラーは不機嫌になり、過激な発言を繰り返すようになります。
そして最後、ジョジョは「ファック・オフ、ヒトラー!」と叫び、心の中から彼を追い出します。
これは、ジョジョが洗脳から解放され、自分自身の意思で生きることを選んだ瞬間を象徴していますよ。
ラストダンスとリルケの詩
ラストシーンの直前、ジョジョはリルケの詩を思い出します。
「美しいことも恐ろしいことも、すべて受け入れて進め。どんな感情も、やがて過ぎ去る」
この詩が、ラストのダンスシーンに込められた「全てを抱えて前に進む」というテーマを支えています。
デヴィッド・ボウイの『Heroes』が流れる中で踊る二人の姿は、戦争の終わりと自由の始まり、そして希望に満ちた未来を象徴していますよ。
評価とレビュー:なぜこの映画は高く評価されたのか
『ジョジョ・ラビット』は、国内外で高い評価を受けています。
アカデミー賞脚色賞を受賞
第92回アカデミー賞では、脚色賞を受賞しました。
また、作品賞・助演女優賞・美術賞・衣装デザイン賞など、複数部門にノミネートされています。
脚本家組合賞や衣装デザイナー組合賞でも受賞しており、作品の完成度の高さが認められていますよ。
トロント国際映画祭で観客賞を受賞
2019年の第44回トロント国際映画祭では、観客賞(ピープルズ・チョイス・アワード)を受賞しました。
この賞は観客投票によって選ばれるため、幅広い層から支持されたことを示しています。
海外批評家と日本の観客の評価の違い
海外の批評家は、ナチスやヒトラーをコメディで描く大胆さや、風刺的なメッセージ性を高く評価しました。
一方、日本の観客は、家族愛や成長物語としての側面に共感する声が多く見られます。
特に「靴紐のシーンで泣いた」「ラストのダンスが希望をくれた」といった感情面への共感が目立ちますよ。
映像美と音楽の完成度
国を問わず共通して評価されたのが、映像美と音楽の使い方です。
ポップで明るい色彩と、戦争の暗い現実とのコントラストが鮮烈な印象を残します。
また、ビートルズの『I Want To Hold Your Hand』やデヴィッド・ボウイの『Heroes』(ドイツ語版)など、音楽の選曲も見事でしたよ。
『ジョジョ・ラビット』はどこで観られる?配信情報をチェック
この素晴らしい作品を、ぜひあなたも体験してみてください。
主要な動画配信サービスで視聴可能
『ジョジョ・ラビット』は、現在多くの動画配信サービスで視聴可能です。
U-NEXT、Amazon Prime Video、Apple TV+、Disney+などで配信されています。
レンタル・購入にも対応しているサービスが多いため、自分に合った方法で視聴してみましょう。
DVDやBlu-rayでも楽しめる
手元にコレクションとして残しておきたい方には、DVDやBlu-rayもおすすめです。
特典映像やメイキング映像も収録されており、作品をより深く楽しむことができますよ。
まとめ:『ジョジョ・ラビット』は笑いと涙、そして希望を届けてくれる傑作
『ジョジョ・ラビット』は、戦争という重いテーマを扱いながらも、ブラックユーモアと温かい人間ドラマを見事に融合させた作品です。
10歳の少年ジョジョが、偏見と洗脳から解放され、自分の意思で生きることを選ぶまでの成長物語は、観る者の心に深く刻まれます。
母ロージーの処刑シーン、靴紐のモチーフ、ラストのダンスシーンなど、象徴的な演出の数々が、言葉では語り尽くせない感動を伝えてくれます。
笑って、泣いて、そして最後には希望を感じられるこの映画を、ぜひ一度ご覧になってみてください。
戦争の愚かさ、偏見の恐ろしさ、そして人間の持つ優しさと強さを、この作品はあなたに伝えてくれるはずですよ。
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