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リトル・ミス・サンシャインのあらすじと感想!笑って泣ける家族愛の名作を徹底解説

映画「リトル・ミス・サンシャイン」ってどんな作品?基本情報をチェック

2006年に公開された「リトル・ミス・サンシャイン」は、アカデミー賞4部門にノミネートされ、脚本賞と助演男優賞を受賞した傑作コメディドラマです。

アメリカの田舎町に住む問題だらけのフーヴァー家が、7歳の娘オリーヴの美少女コンテスト出場のために、黄色いオンボロバスで1300キロの珍道中を繰り広げるロードムービーなんですよ。

監督はジョナサン・デイトンとヴァレリー・ファリスの夫婦コンビで、上映時間は約100分。

笑って泣けて、観終わった後には心がじんわり温かくなる、そんな不思議な魅力を持つ作品です。

「リトル・ミス・サンシャイン」のあらすじを詳しく紹介します

物語の始まり〜問題だらけのフーヴァー家

舞台はアリゾナ州アルバカーキに住むフーヴァー家。

この家族、実は全員が何かしらの問題を抱えているんです。

父親のリチャードは自己啓発セミナーの講師で、「勝ち組」になることに執着しています。

母親のシェリルは家族の問題に頭を悩ませながらも、なんとか家庭を維持しようと必死。

15歳の長男ドウェーンは、パイロットになる夢を叶えるまで誰とも口をきかないという「沈黙の誓い」を立てていて、ノートに書いた文字でしかコミュニケーションを取りません。

そして7歳の娘オリーヴは、ぽっちゃり体型で眼鏡をかけた、いわゆる「美少女」とは程遠い容姿ですが、美少女コンテストで優勝することを夢見ています。

さらに、シェリルの兄フランクが自殺未遂を起こしてフーヴァー家に引き取られてきます。

フランクはゲイの文学研究者で、恋人に振られて職も失い、人生のどん底にいる状態。

極めつけは、リチャードの父であるエドウィンおじいちゃん。

薬物問題で老人ホームを追い出され、下品で毒舌だけど、孫娘のオリーヴを溺愛している憎めないキャラクターです。

突然の朗報!カリフォルニアへの旅が始まる

ある日、オリーヴが地元の美少女コンテストに応募していたことが判明します。

そして予選の繰り上げ当選で、なんとカリフォルニア州レドンドビーチで開催される「リトル・ミス・サンシャイン」本選への出場権を獲得したんです。

オリーヴは大喜びですが、問題はカリフォルニアまでの移動手段。

飛行機代を捻出できないフーヴァー家は、黄色いフォルクスワーゲンのオンボロバスに家族全員で乗り込み、約1300キロの長旅に出ることを決意します。

こうして、問題だらけの6人家族の珍道中が幕を開けるのです。

トラブル続きの珍道中

旅が始まると、次々とトラブルが襲いかかります。

まず、オンボロバスのクラッチが壊れて、スピードが出るまでみんなでバスを押して走らなければならない状態に。

信号で止まるたびに全員降りてバスを押す光景は、シュールながらも家族の団結を感じさせます。

さらに、リチャードが全力で取り組んでいた自己啓発ビジネスの契約が白紙に。

「勝ち組」を目指していた父親は、大きな挫折を味わうことになります。

そして最大の悲劇は、エドウィンおじいちゃんが旅の途中で薬物の過剰摂取により急死してしまうこと。

家族は悲しみに暮れますが、オリーヴをコンテストに間に合わせるため、おじいちゃんの遺体を病院から持ち出すという大胆な行動に出ます。

ドウェーンにも試練が訪れます。

彼は空軍パイロットになることだけを目標に生きてきましたが、旅の途中で自分が色覚異常であることが判明。

パイロットになる夢が絶たれたドウェーンは、初めて声を上げて絶望を叫びます。

9ヶ月間沈黙を守ってきた彼の叫びは、家族全員の心を揺さぶりました。

フランク叔父さんも、コンビニで元恋人と偶然再会してしまい、しかもその恋人は自分のライバルと一緒にいるという屈辱を味わいます。

こんな状況でも、家族はオリーヴの夢のために前へ進み続けるんです。

コンテスト会場で目の当たりにした現実

なんとか会場にたどり着いたフーヴァー家ですが、そこで彼らが目にしたのは、プロ並みのメイクと衣装で着飾った美少女たちの姿でした。

スリムで洗練された少女たちの中で、眼鏡をかけたぽっちゃり体型のオリーヴは明らかに場違い。

リチャードとドウェーンは、オリーヴが傷つくことを恐れて出場を辞退させようとします。

しかし、シェリルは言います。

「この日のためにオリーヴはおじいちゃんと特訓してきたのよ。挑戦もしないで辞めろなんて誰が言えるの」

そしてオリーヴに決断を委ねました。

オリーヴは「私、やるわ」と力強く答えます。

衝撃のラスト!予想外の展開に

※ここからネタバレを含みますのでご注意ください。

コンテストが始まり、他の少女たちはプロ顔負けの完璧なダンスや歌を披露していきます。

そしていよいよオリーヴの番。

会場に流れたのはリック・ジェームスの「Super Freak」。

オリーヴが披露したのは、亡きエドウィンおじいちゃんが教えたバーレスク風の大人っぽいダンスでした。

会場は騒然。

審査員たちは顔をしかめ、「あの子をステージから降ろせ!」と激怒します。

しかしオリーヴは楽しそうに踊り続けます。

その時、家族が動きました。

リチャードが、ドウェーンが、フランクが、そしてシェリルまでもがステージに上がり、オリーヴと一緒に踊り始めたんです。

優勝トロフィーよりも大切なもの。

それは家族全員でオリーヴを応援し、彼女の挑戦を守り抜くことでした。

結果的にフーヴァー家はコンテストから追い出され、今後の出入りを禁止されてしまいます。

でも、帰りのバスの中で家族は笑顔に包まれていました。

旅の始まりとは違う、温かい空気が車内に流れています。

オリーヴは優勝できなかったけれど、家族全員が彼女の味方であることを証明したのです。

個性豊かすぎる登場人物たち!キャストの魅力を解説

オリーヴ・フーヴァー(演:アビゲイル・ブレスリン)

7歳の主人公で、この映画の太陽のような存在です。

ぽっちゃり体型で眼鏡をかけていますが、夢に向かって一生懸命な姿が愛らしいんですよ。

演じたアビゲイル・ブレスリンは、この作品でわずか10歳にしてアカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。

オリーヴの無邪気さと純粋さが、バラバラだった家族を一つにする力になっています。

エドウィン・フーヴァー(演:アラン・アーキン)

おじいちゃん役のアラン・アーキンは、この作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞しています。

下品で毒舌、薬物依存という問題児ですが、孫娘オリーヴを心から愛している愛情深いキャラクター。

彼が残した名言「負け犬っていうのは、負けるのが怖くて挑戦しないやつらのことだ」は、映画史に残る言葉として多くの人の心に刻まれています。

ドウェーン・フーヴァー(演:ポール・ダノ)

15歳の長男で、空軍パイロットになる夢のために沈黙の誓いを立てている思春期真っ只中の少年。

夢が潰えた時の絶望の叫びと、その後のオリーヴへの優しさが印象的です。

ポール・ダノの繊細な演技が光る役柄ですよ。

フランク・ギンスバーグ(演:スティーヴ・カレル)

シェリルの兄で、自殺未遂から立ち直ろうとしている文学研究者。

ゲイであることや失恋、失職という三重苦を抱えていますが、旅を通して家族との絆を取り戻していきます。

コメディ俳優スティーヴ・カレルが見せる繊細な演技が見どころです。

リチャード・フーヴァー(演:グレッグ・キニア)

自己啓発にのめり込む父親で、最初は「勝ち組」思考が鼻につく嫌な奴なんですが、挫折を経験することで人間味が出てきます。

最後にはオリーヴのために全力で踊る姿が感動的ですよ。

シェリル・フーヴァー(演:トニ・コレット)

問題だらけの家族をまとめる母親役。

時に厳しく、時に優しく、家族の柱として存在感を放っています。

トニ・コレットの包容力のある演技が素晴らしいです。

「リトル・ミス・サンシャイン」を観た感想〜心に染みる家族愛

笑いと涙が同時に込み上げる不思議な映画

この映画の魅力は、笑っているうちにいつの間にか涙が出てくるところなんです。

オンボロバスをみんなで押すシーンは思わず笑ってしまいますし、エドウィンおじいちゃんの下品な冗談も抱腹絶倒。

でも、ドウェーンが夢を失って叫ぶシーンや、ラストのダンスシーンでは自然と涙が溢れてきます。

派手な演出や大げさな感動シーンがないのに、じんわりと心に響いてくる作品なんですよ。

「負け犬」の定義を覆すメッセージ

エドウィンおじいちゃんの名言にもあるように、この映画は「負け犬」の定義を問い直しています。

フーヴァー家の面々は、世間的には「負け組」かもしれません。

ビジネスに失敗した父親、失恋して職を失った叔父、夢が潰えた兄、そしてコンテストでも優勝できなかった妹。

でも、彼らは挑戦することを諦めませんでした。

本当の負け犬とは、失敗した人ではなく、失敗を恐れて挑戦しない人なんだと教えてくれるんです。

完璧じゃないからこそ愛おしい家族

フーヴァー家は完璧な家族ではありません。

むしろ問題だらけで、ちょっと変わった人たちばかり。

でも、そんな彼らが必死にオリーヴを応援する姿は、本当の家族愛とは何かを教えてくれます。

優勝トロフィーよりも大切なのは、家族全員が同じ目標に向かって一緒に歩むこと。

そして、誰かが転んだ時に手を差し伸べられる関係性なんだと気づかされますよ。

観終わった後に元気をもらえる作品

人生に疲れた時、何かに挑戦する勇気が欲しい時、この映画は背中を押してくれます。

完璧じゃなくていい、失敗してもいい、大切なのは挑戦し続けることなんだと優しく語りかけてくれるんです。

観終わった後には、きっとあなたも黄色いバスに乗り込みたくなるはずですよ。

印象に残る名言・名シーンをピックアップ

エドウィンおじいちゃんの名言

「負け犬っていうのは、負けるのが怖くて挑戦しないやつらのことだ」

この言葉は、映画全体のテーマを象徴する名言です。

どんな状況でも挑戦し続けることの大切さを教えてくれます。

バスを押すシーン

クラッチが壊れたバスを家族全員で押して走るシーンは、この映画を象徴する名シーンです。

それぞれが問題を抱えながらも、オリーヴのために一致団結する姿が印象的ですよ。

ラストのダンスシーン

オリーヴがステージで踊り、家族全員がステージに上がるシーンは涙なしには観られません。

優勝という結果よりも、家族の絆を選んだフーヴァー家の決断に心を打たれます。

ドウェーンの絶叫シーン

9ヶ月間沈黙を守ってきたドウェーンが、夢を失って初めて声を上げるシーン。

思春期の少年の絶望と、その後に見せる妹への優しさが胸に響きます。

この映画が伝える深いメッセージとテーマ

多様性の尊重

「リトル・ミス・サンシャイン」は、美少女コンテストという画一的な美の基準に対する痛烈な批判を含んでいます。

オリーヴは「典型的な美少女」ではありませんが、彼女には彼女の魅力があります。

人はそれぞれ違っていいんだというメッセージが込められているんですよ。

家族の再生と絆

バラバラだった家族が、旅を通して一つになっていく過程が丁寧に描かれています。

完璧な家族なんて存在しない、でも不完全だからこそ支え合う意味があるんだと教えてくれます。

挑戦することの価値

結果よりも過程が大切だというテーマが一貫しています。

オリーヴは優勝できませんでしたが、挑戦したことで家族の絆は深まりました。

人生において本当に大切なのは、勝つことではなく挑戦し続けることなんですね。

「リトル・ミス・サンシャイン」はどこで観られる?配信サービス情報

Disney+で見放題配信中

「リトル・ミス・サンシャイン」は、Disney+(ディズニープラス)で見放題配信されています。

月額1,140円(税込)で、何度でも視聴できますよ。

ディズニー、ピクサー、マーベル作品なども楽しめるので、映画好きにはおすすめのサービスです。

Amazon Prime Videoでレンタル・購入可能

Amazon Prime Videoでは、レンタルまたは購入で視聴できます。

レンタルは比較的リーズナブルな価格設定なので、まず一度観てみたいという方にぴったりですよ。

その他の配信サービス

FODプレミアム、Hulu、Apple TVなどでもレンタル配信されています。

自分が利用しているVODサービスで検索してみると、意外と配信されているかもしれませんね。

各サービスの料金や視聴条件は時期によって変わることがあるので、最新情報は各サービスの公式サイトで確認してくださいね。

こんな人に「リトル・ミス・サンシャイン」はおすすめ

人生にちょっと疲れている人

仕事や人間関係で疲れている時、この映画は優しく背中を押してくれます。

完璧じゃなくていいんだと思わせてくれる作品ですよ。

家族の大切さを再確認したい人

家族との関係に悩んでいる人、久しぶりに家族の温かさを感じたい人におすすめです。

不完全な家族だからこそ美しいというメッセージが心に染みます。

ロードムービーが好きな人

旅を通して成長していく物語が好きな方にはぴったりです。

黄色いバスでの珍道中は、笑いあり涙ありで飽きさせません。

何かに挑戦しようとしている人

新しいことに挑戦する勇気が欲しい時、この映画は最高の応援歌になってくれます。

失敗を恐れずに一歩踏み出す勇気をもらえますよ。

子育て中の親御さん

子どもの挑戦をどう応援すべきか、ヒントをもらえる映画です。

ラストシーンは、子育て中の方なら涙なしには観られないでしょう。

似た雰囲気のおすすめ映画

「サンシャイン・クリーニング」

タイトルに「サンシャイン」が入っている通り、雰囲気が似ています。

エイミー・アダムス主演で、家族の絆と再生を描いた心温まる作品ですよ。

「世界にひとつのプレイブック」

個性的なキャラクターたちが織りなす人間ドラマ。

不完全な人間たちが支え合う姿が「リトル・ミス・サンシャイン」と共通しています。

「ギルバート・グレイプ」

家族の問題を抱えながらも前向きに生きる姿を描いた名作。

若き日のレオナルド・ディカプリオとジョニー・デップの共演も見どころです。

「リトル・ミス・サンシャイン」に関するよくある質問

Q. アカデミー賞は受賞していますか?

はい、アカデミー賞4部門にノミネートされ、脚本賞と助演男優賞(アラン・アーキン)の2部門で受賞しています。

Q. 子どもと一緒に観ても大丈夫ですか?

基本的には家族で楽しめる内容ですが、一部下品な表現や大人向けのユーモアも含まれています。

小学校高学年以上のお子さんなら問題なく楽しめるでしょう。

Q. 実話ですか?

いいえ、フィクションです。

ただし、アメリカの美少女コンテストは実際に存在し、その文化への批判的視点が込められています。

Q. オリーヴ役の女優さんは今どうしていますか?

アビゲイル・ブレスリンは女優として活躍を続けており、成長した彼女は美しい女性になっています。

「ゾンビランド」シリーズなどにも出演していますよ。

Q. おじいちゃんが急死するのはなぜですか?

薬物の過剰摂取が原因です。

彼の死は突然ですが、物語において家族の絆を深める重要な転機となっています。

Q. ラストでコンテストから追い出されますが、その後どうなるのですか?

映画ではその後の詳細は描かれませんが、家族は笑顔で帰路につきます。

コンテストの結果よりも大切なものを手に入れたことが示唆されています。

まとめ〜あなたもフーヴァー家の一員になりませんか?

「リトル・ミス・サンシャイン」は、笑って泣けて元気をもらえる、まさに心のビタミン剤のような映画です。

完璧じゃない家族が、完璧じゃない旅をして、完璧じゃない結果を得る。

でもその過程で、彼らは何よりも大切なものを手に入れるんです。

それは、家族の絆であり、挑戦する勇気であり、自分らしく生きることの素晴らしさ。

人生に疲れた時、何かに挑戦したい時、家族の大切さを再確認したい時、ぜひこの映画を観てみてください。

黄色いオンボロバスに乗り込んで、フーヴァー家と一緒に笑って泣いて、心が温かくなる旅に出かけましょう。

きっとあなたも、観終わった後には「負け犬」の本当の意味を理解し、明日への一歩を踏み出す勇気をもらえるはずですよ。

Disney+やAmazon Prime Videoで今すぐ視聴できますので、週末の映画タイムにぴったりです。

さあ、今夜は「リトル・ミス・サンシャイン」で心を満たしてみませんか?