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『マリッジ・ストーリー』あらすじと感想!離婚を通して描かれる愛と涙の物語

Netflixで配信されている『マリッジ・ストーリー』は、結婚生活の終わりを迎える夫婦の姿を丁寧に描いた作品です。
タイトルこそ「マリッジ(結婚)」ですが、実際には離婚へと向かう過程を通じて、愛の本質や夫婦の絆を問いかける深いヒューマンドラマなんですよ。
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーという実力派俳優が主演を務め、第92回アカデミー賞では作品賞を含む6部門にノミネートされた話題作でもあります。
今回は『マリッジ・ストーリー』のあらすじから感想、見どころまで詳しくご紹介していきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
『マリッジ・ストーリー』とは?映画の基本情報
『マリッジ・ストーリー』は2019年に公開されたアメリカ映画で、Netflixオリジナル作品として製作されました。
監督は『イカとクジラ』や『ヤング・アダルト・ニューヨーク』などで知られるノア・バームバック監督です。
バームバック監督は家族や夫婦の関係性を描くことに定評があり、今作でも持ち前の繊細な視点で離婚という難しいテーマに挑んでいます。
主演には、女優のニコール役にスカーレット・ヨハンソン、舞台演出家のチャーリー役にアダム・ドライバーを迎えました。
2人の圧倒的な演技力が、この作品をさらに深いものにしていると言っても過言ではありません。
また、ローラ・ダーンが演じる敏腕弁護士ノーラの存在感も見逃せないポイントですよ。
第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門への正式出品や、第44回トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門にも選出され、世界中で高い評価を受けています。
『マリッジ・ストーリー』のあらすじ
それでは、物語の流れを詳しく見ていきましょう。
ネタバレを含む部分は事前にお知らせしますので、ご安心ください。
物語の始まり:すれ違う夫婦の日常
映画は、ニコールとチャーリーがお互いの「好きなところ」を語るシーンから始まります。
「子供と本気で遊ぶ」「プレゼントのセンスが良い」「僕の一番好きな女優だ」とチャーリーはニコールの魅力を語ります。
一方ニコールも「家事が得意」「子煩悩」「負けず嫌い」といったチャーリーの長所を挙げていくんです。
しかし実はこのシーン、夫婦関係修復のためのカウンセリングの一環だったことが明かされます。
ニコールは手紙を読むことを拒否し、その場を去ってしまうんですよ。
彼女の中では、すでに離婚は決定事項だったからです。
舞台監督として成功を収めるチャーリーと、その劇団の看板女優として活躍するニコール。
表面上は理想的な夫婦に見える2人でしたが、次第にすれ違いが生じていました。
ニコールは実家のあるロサンゼルスに戻り、テレビドラマへの出演という新たなキャリアに挑戦することを決意します。
一方チャーリーは、ブロードウェイでの舞台公演を控えており、拠点はニューヨークのままです。
8歳の息子ヘンリーと共にロスへ移ったニコールを、チャーリーは訪ねます。
この時点ではまだ2人は友好的な関係を保っており、文芸助成金を獲得したチャーリーの報告をニコールは心から喜んでいるんです。
2人は円満に話し合いで離婚を進めようと試みますが、状況は思わぬ方向へと進んでいきます。
離婚調停の泥沼化
ニコールが雇った弁護士ノーラは、敏腕で知られる離婚専門の弁護士でした。
ノーラに自分の気持ちを話すうちに、ニコールは溜め込んでいた本音を吐き出していきます。
チャーリーとの出会いは素晴らしく、生きている実感を与えてくれたものでした。
しかし次第に、自分はやりたいことを抑え、夫に合わせて仕事を選ぶようになっていったんです。
ニコールはチャーリーに自分の仕事を応援して欲しかったし、自分だけの誇れる居場所が欲しかったんですよ。
何より、「私を見て欲しかった」という彼女の切実な思いが明かされます。
一方チャーリーも、息子ヘンリーの親権問題を突きつけられ、仕方なく弁護士を雇うことにします。
当初雇った温厚な老弁護士では太刀打ちできず、最終的には高額な費用がかかる敏腕弁護士ジェイを雇うことに。
双方の弁護士が介入したことで、本来2人だけで解決できたはずの問題が複雑化していきます。
弁護士を通して語られるお互いの気持ちは、些細な出来事を大げさに脚色したものになっており、2人は「こんなはずじゃなかった」と戸惑うばかりです。
ついに2人きりで話し合うことを決意したニコールとチャーリーですが、何から話せばいいのかわからなくなっています。
話題は息子ヘンリーのことに及びますが、結局はヘンリーを巻き込む形になってしまうんです。
感情の爆発:圧巻の口論シーン
チャーリーのロサンゼルスのアパートで、2人は本音でぶつかり合います。
これまで冷静だったチャーリーが、初めて自分を見失うほど激昂するんです。
ニコールも負けじと、これまで溜めていた不満や怒りをぶつけます。
「あなたのエゴで子供が苦しむのよ」というニコールの言葉に、チャーリーは傷つき、さらに感情的になっていきます。
そしてついに、チャーリーは「君が亡くなっても、ヘンリーさえ助かってくれればいい」という、心にもない言葉を口にしてしまうんです。
自分の酷い言葉に気づいたチャーリーは、その場で泣き崩れます。
ニコールも、それが本心ではないことを理解していました。
そっと彼の背中をさするニコールの姿が、2人の関係の複雑さを物語っています。
このシーンは映画全体の中でも最も印象的で、2人の俳優の演技力が光る場面ですよ。
結末とラストシーン(ネタバレあり)
ここからは映画の結末について触れていきます。
まだ映画をご覧になっていない方は、ここで一度視聴されることをおすすめします。
激しい口論を経て、離婚調停は親権をかけて進んでいきます。
チャーリーはロサンゼルスに家を借り、ヘンリーとの生活を印象づけようとしますが、最終的に親権はニコールに認められることになります。
ニコールは自宅でパーティーを開きますが、どこか晴れない表情を浮かべているんです。
チャーリーはニューヨークへと戻り、それぞれ別々の人生が始まりました。
それでも2人の意向により、親権はほぼ同等のものに落ち着きます。
月日が流れ、ハロウィンの日にチャーリーがヘンリーに会いにロスを訪れます。
ニコールの家族は変わらず彼を歓迎してくれますが、壁に飾られた家族写真から自分の姿が消えていることに、チャーリーは複雑な思いを抱きます。
ヘンリーがある手紙を読んでいるのを見つけ、チャーリーは一緒に読むことにします。
それは以前、互いの長所を書いた時にニコールが書いたチャーリーへの手紙でした。
「矛盾してるけど、ずっと彼を愛しているだろう」という言葉に、チャーリーは涙を流します。
その様子を見守るニコールの姿がありました。
遊び疲れたヘンリーを抱きかかえて帰ろうとするチャーリーの靴紐を、ニコールがそっと結んであげるラストシーン。
この何気ない仕草が、2人の新しい関係性を象徴しているんですよ。
離婚という形で別れても、互いを思いやる気持ちは残り続けるのです。
『マリッジ・ストーリー』を観た感想とレビュー
実際にこの映画を観て感じたこと、心に残ったポイントをお伝えしていきます。
圧巻の口論シーンに心揺さぶられる
この映画で最も印象的なのは、やはりチャーリーとニコールが本音でぶつかり合う口論シーンでしょう。
それまで抑えていた感情が一気に爆発し、互いに傷つけ合う言葉を投げつける2人の姿は、観ているこちらも胸が苦しくなるほどリアルです。
特にチャーリーが心にもない暴言を吐いてしまい、その直後に自分の言葉に泣き崩れる場面は涙なしには観られません。
人は時に、思ってもいないことを口にしてしまうものです。
その後悔や自己嫌悪、それでも相手を傷つけてしまった事実は消えないという葛藤が、あまりにも痛々しく描かれているんですよ。
このシーンを通じて、2人がまだ互いを愛していることが伝わってくるんです。
嫌いなのに好きな部分もあるという矛盾した感情、こじれてしまったけれど本当はこんな関係になりたくなかったという後ろめたさ。
そうした複雑な心情が一気に浮かび上がる瞬間でした。
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの演技力
この映画の成功は、2人の主演俳優の圧倒的な演技力に支えられています。
スカーレット・ヨハンソンは、弁護士に自分の気持ちを吐露するシーンで見事な長回しの演技を披露しています。
次第に高揚していき、最後には涙が溢れ出すまでの感情の変化を、一切のカットなしで演じきる姿は圧巻ですよ。
マーベル映画のブラック・ウィドウのイメージが強い彼女ですが、この作品では繊細で起伏豊かな演技を見せてくれます。
アダム・ドライバーもまた素晴らしいです。
普段は冷静で理性的なチャーリーが、離婚調停を通じて次第に追い詰められていく様子が痛いほど伝わってきます。
料理を振る舞うシーンや息子に本を読み聞かせる優しい父親の姿から、激昂して感情を爆発させる場面まで、幅広い演技を自然にこなしているんです。
また、息子を笑わせるために持ち歩いている小さなナイフで自分の腕を誤って切ってしまうシーンでは、冷静を装いながらも内心動揺している様子をコミカルに演じていました。
2人の息の合ったアンサンブル演技も見どころの一つです。
まるで本当の夫婦のようなリアルな会話のリズム感や、感情の揺れ動きが自然で、どれだけ練習を重ねたのだろうと感心させられます。
離婚を描きながら「愛」を感じる理由
『マリッジ・ストーリー』というタイトルは皮肉にも聞こえますが、実は非常に的確なタイトルだと感じました。
なぜなら、この映画は離婚を通じて「結婚とは何か」「愛とは何か」を問いかける作品だからです。
離婚は愛が消えることではないんですよ。
むしろ、愛しているからこそ別れを選ぶこともあるのだということを、この映画は教えてくれます。
ニコールとチャーリーは互いの長所も短所も知り尽くしています。
それでも一緒にいることが互いの成長を妨げてしまうのであれば、別々の道を歩むことが最善の選択なのかもしれません。
終盤でチャーリーが舞台仲間とレストランで語らう場面があります。
そこで彼は突然ピアノに合わせて歌い出すんです。
その歌詞は「生きているということは、誰かと喜びや悲しみ、憎しみさえも共有すること。孤独では生きているとは言えない」という内容でした。
ニコールとの生活があったからこそ、喜怒哀楽を共にできたからこそ、チャーリーは「生きている」と実感できたのでしょう。
この場面を観て、西川美和監督の『永い言い訳』で描かれた「人生は他者」というテーマを思い出しました。
離婚という波乱を経験したチャーリーが、それでも人生を噛みしめられたのは、ニコールという存在があったからなんです。
ノア・バームバック監督の演出が光る
ノア・バームバック監督の巧みな演出も、この映画の魅力を高めています。
基本的に長回しの撮影が多用されており、俳優の演技を途切れさせることなく捉えているんです。
特に狭い部屋の中で繰り広げられる会話劇では、退屈させないよう様々な工夫が凝らされています。
カメラを固定して少しずつズームしていくことで、登場人物の心情の変化を表現したり、複数の角度から夫婦の姿を映すことであるがままの風景を切り取ったり。
2人が座った位置に少し空間を設けることで、向き合っているようでまだ距離があることを視覚的に示しているシーンもありました。
また、開いた扉の隙間から覗くような構図や、カメラから消えた人物が部屋の向こうで台詞を話すことでリアリティを生み出すなど、計算された撮影技術が随所に見られます。
こうした「見えているようで見えない」繊細な技が、この映画をさらに深いものにしているんですよ。
『マリッジ・ストーリー』の見どころと評価ポイント
この映画には数多くの見どころがありますが、特に注目してほしいポイントをまとめてみました。
冒頭のモノローグが伏線になっている
映画の冒頭で流れる、互いの好きなところを語るモノローグ。
最初は幸せな夫婦の物語かと思わせておいて、実は離婚前提のカウンセリングだったという展開に驚かされます。
そして映画のラストで、ニコールが書いた手紙が再び登場することで、物語が美しく円環を描くんです。
この構成の巧みさは、さすがバームバック監督だと感心させられますよ。
弁護士たちの存在が物語を加速させる
ローラ・ダーン演じる敏腕弁護士ノーラの存在感は圧倒的です。
彼女は依頼人であるニコールのために全力を尽くしますが、その過程で夫婦の関係をさらにこじれさせてしまいます。
一方チャーリーが雇う老弁護士と、後に雇う敏腕弁護士の対比も面白いです。
弁護士という第三者が介入することで、本来2人で解決できたはずの問題が泥沼化していく様子は、現代の離婚問題の縮図とも言えるでしょう。
息子ヘンリーの存在
8歳の息子ヘンリーの存在も重要です。
両親の離婚によって引き裂かれる子供として、彼の視点は物語に深みを与えています。
それでもヘンリーにとって、チャーリーとニコールは変わらず「パパ」と「ママ」なんです。
ラストシーンで、遊び疲れて眠るヘンリーを抱えるチャーリーの姿が、父親としての愛情を象徴していますよ。
ニューヨークとロサンゼルスという舞台設定
物語の舞台がニューヨークとロサンゼルスに分かれているのも意味深です。
舞台芸術の中心地であるニューヨークと、映画産業の本場ロサンゼルス。
この2つの都市は、チャーリーとニコールそれぞれのキャリアと人生を象徴しているんです。
距離的にも心理的にも離れていく2人の関係性が、地理的な設定によって強調されています。
『マリッジ・ストーリー』はどこで観られる?配信情報
『マリッジ・ストーリー』はNetflixオリジナル映画として製作されたため、Netflixで独占配信されています。
Netflixに加入していれば、いつでも視聴可能ですよ。
アカデミー賞にノミネートされた話題作をじっくりと自宅で楽しめるのは嬉しいポイントですね。
まだNetflixに加入していない方は、この機会にぜひ登録を検討してみてはいかがでしょうか。
『マリッジ・ストーリー』以外にも、質の高いオリジナル作品が数多く配信されていますので、きっとお気に入りの作品に出会えるはずです。
『マリッジ・ストーリー』はこんな人におすすめ
最後に、この映画がどんな方におすすめなのかをお伝えします。
夫婦関係や人間関係に悩んでいる方
離婚をテーマにした作品ですが、これは夫婦だけでなくあらゆる人間関係に通じる物語です。
相手の良いところを思い出すことの大切さ、コミュニケーションの重要性など、人間関係を見つめ直すきっかけになるでしょう。
質の高い演技を楽しみたい方
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの演技を堪能したい方には、間違いなくおすすめです。
2人の繊細で力強い演技は、映画ファンならば必見の価値がありますよ。
ノア・バームバック監督作品が好きな方
バームバック監督の作品が好きな方にとっては、彼の集大成とも言える作品です。
家族や夫婦を描く彼の視点は、今作で一つの到達点に達していると言えるでしょう。
心に残る映画を探している方
派手なアクションやサスペンスはありませんが、観終わった後にずっと心に残る作品です。
人生や愛について深く考えさせられる映画を求めている方には、ぜひ観ていただきたいですね。
まとめ:離婚を通して描かれる、新しい愛の形
『マリッジ・ストーリー』は、離婚という困難なプロセスを通じて、愛の本質や人間関係の在り方を問いかける作品です。
タイトルは「結婚物語」ですが、実際には「離婚物語」であり、同時に「愛の物語」でもあるんですよ。
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーの圧倒的な演技力、ノア・バームバック監督の繊細な演出、そして心に響く脚本。
すべてが高いレベルで融合した、まさに傑作と呼ぶにふさわしい映画です。
離婚後も続く2人の関係性、互いへの思いやり、そして「矛盾してるけど、ずっと愛しているだろう」というニコールの言葉。
これらが教えてくれるのは、愛の形は一つではないということです。
結婚生活が終わったとしても、相手を思う気持ちや尊敬の念は残り続けます。
人生において大切な人との関係性は、形を変えながらも続いていくものなのかもしれません。
相手の良いところを思い出してみること、それは関係性が変わったとしても前に進むための素敵な行為になるはずですよ。
まだ観ていない方は、ぜひNetflixでこの感動作をご覧になってみてください。
きっと、あなたの心に深く刻まれる作品になるでしょう。
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