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映画『プリズナーズ』あらすじネタバレ解説と感想!ラストの意味とは

映画『プリズナーズ』ネタバレあらすじと感想!ラストまで徹底解説

誘拐された娘を取り戻すために、父親が法を超えた行動に出る――そんな緊迫のサスペンススリラー『プリズナーズ』は、2013年に公開されて以来、多くの観客に衝撃を与え続けています。

ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールという豪華キャストが織りなす重厚なドラマ、そして『メッセージ』や『ブレードランナー2049』で知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の繊細かつ緻密な演出が、観る者を最後まで釘付けにしますよ。

今回は、映画『プリズナーズ』のあらすじをネタバレありで徹底解説し、見どころや感想、キャスト情報まで詳しくお伝えします。

まだ観ていない方も、もう一度深く味わいたい方も、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

映画『プリズナーズ』の作品情報

基本データ

タイトル:『プリズナーズ』(原題:Prisoners)

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

脚本:アーロン・グジコウスキー

製作年:2013年

製作国:アメリカ合衆国

上映時間:153分

ジャンル:サスペンス、スリラー、クライムドラマ

主要キャスト

ヒュー・ジャックマン(ケラー・ドーヴァー役)

誘拐された娘アンナの父親。

敬虔なキリスト教徒で、娘を救うためなら法をも破る決意を固めます。

ジェイク・ギレンホール(ロキ刑事役)

事件を担当する有能な刑事。

冷静沈着でありながら、事件解決への執念を燃やします。

ポール・ダノ(アレックス・ジョーンズ役)

誘拐事件の容疑者として疑われる青年。

知的障害を持ち、10歳程度の知能しかありません。

ヴィオラ・デイヴィス(ナンシー・バーチ役)

もう一人の誘拐された少女ジョイの母親。

テレンス・ハワード(フランクリン・バーチ役)

ジョイの父親で、ケラーの親友。

メリッサ・レオ(ホリー・ジョーンズ役)

アレックスの叔母で事実上の保護者。

物語の鍵を握る重要人物です。

映画『プリズナーズ』あらすじ(ネタバレなし)

アメリカ・ペンシルベニア州の静かな田舎町で、感謝祭の日に突如として悲劇が起こります。

工務店を営むケラー・ドーヴァーは、妻グレイス、息子ラルフ、娘アンナと幸せに暮らしていました。

感謝祭の日、ケラー一家は隣人のフランクリン・バーチ一家と一緒に食事を楽しんでいましたが、6歳の娘アンナとフランクリンの娘ジョイが突然姿を消してしまいます。

必死の捜索が始まり、警察は近くに停まっていた不審なキャンピングカーに目をつけます。

事件を担当するロキ刑事は、キャンピングカーを運転していた青年アレックス・ジョーンズを容疑者として拘束しますが、物的証拠がないため釈放せざるを得ませんでした。

納得できないケラーは、アレックスが犯人だと確信し、単独で彼を拉致して監禁してしまいます。

娘を取り戻すために一線を越えたケラーと、証拠に基づいて捜査を進めるロキ刑事――二人の行動が交錯する中、事件は思わぬ方向へと進んでいくのです。

果たして、誘拐された少女たちは無事に見つかるのでしょうか。

そして、真犯人は一体誰なのか――緊迫のサスペンスが最後まで続きますよ。

映画『プリズナーズ』あらすじ詳細(ネタバレあり)

誘拐事件の発生

ペンシルベニア州の田舎町で、工務店を経営するケラー・ドーヴァーは、妻グレイス、息子ラルフ、娘アンナと平穏な日々を送っていました。

感謝祭の日、ケラー一家は隣家のフランクリン・バーチ一家を訪ね、共に感謝祭を祝います。

子供たちは楽しく過ごしていましたが、6歳の娘アンナとフランクリンの娘ジョイが突然姿を消してしまいます。

アンナは「パパにもらった緊急用の赤いホイッスルをなくした」と話していましたが、そのホイッスルも見つかりませんでした。

息子ラルフの証言から、外に停まっていた不審なキャンピングカーの存在が浮上します。

ケラーたちは必死で二人を探しますが、キャンピングカーはすでに姿を消していました。

焦燥に駆られたケラーは、すぐに警察へ通報します。

ロキ刑事の捜査とアレックスの拘束

事件を担当することになったのは、優秀なロキ刑事でした。

ロキはすぐにキャンピングカーの捜索を開始し、その夜のうちに発見します。

ロキが近づくと、キャンピングカーは暴走してロキを轢き殺そうとしましたが、林の木にぶつかって停止しました。

運転していたのは、知的障害を持つ青年アレックス・ジョーンズでした。

ロキはアレックスを拘束し、警察署で尋問を開始しますが、10歳程度の知能しか持たないアレックスは「やってない」と繰り返すばかりです。

アレックスは叔母のホリー・ジョーンズと暮らしており、ホリーは「アレックスはやっかいなことはしない子」と証言します。

警察はキャンピングカー内を徹底的に調べますが、決定的な物的証拠は見つからず、アレックスは釈放されることになります。

ケラーの暴走と監禁

アレックスが釈放されると知ったケラーは、警察署に駆けつけます。

激昂したケラーはアレックスに飛びかかり、「あの子たちに何をした!」と叫びました。

その時、アレックスは小声で「僕がいる間は泣かなかった」と呟きます。

この言葉を聞いたケラーは、アレックスが犯人であると確信しました。

しかし、証拠がないため警察はアレックスを逮捕できません。

業を煮やしたケラーは、単独でアレックスを張り込み、ある夜、アレックスが犬と散歩しながら「ジングルベル」の替え歌を歌っているのを耳にします。

それはアンナとジョイが感謝祭の日に歌っていた歌でした。

ケラーは確信を強め、アレックスを拉致して、今は空き家となっている刑務官だった父の実家に監禁します。

ケラーは親友のフランクリンにも協力を求めました。

当初フランクリンは協力を拒否しましたが、娘を救いたい一心で最終的にはケラーに加担します。

ケラーはアレックスを拷問し、娘の居場所を吐かせようとしますが、アレックスは何も答えませんでした。

第二の容疑者ボブ・テイラー

一方、ロキ刑事は捜査を続けていました。

ある夜、ケラーの家の周辺で事件解決を祈る集会が開かれていた際、ロキは不審な男に目をつけます。

その男はロキから逃走し、ロキは似顔絵を公開しました。

すると、スーパーマーケットから「似た男がよく子供服を買っている」という通報が入ります。

ロキはその男ボブ・テイラーを自宅で拘束し、家宅捜索を行います。

ボブの家からは、子供が一人入る大きさのコンテナが複数見つかり、中には蛇と血のついた子供服が入っていました。

さらに、「迷路をすべて解ければ家に帰れる」と書かれたファイルも発見されます。

ロキはボブこそが真犯人だと考えましたが、尋問中にボブは警官の銃を奪い、頭を撃ち抜いて自殺してしまいます。

その後の調査で、血は豚の血であり、衣服はケラーとフランクリンの家から盗まれたものだと判明し、ボブは犯人ではないことがわかりました。

しかし、ロキはボブが描いていた「迷路」の絵が、以前に別の事件で見つけたミイラの死体が身に着けていた「迷路」のペンダントと同じであることに気づきます。

真犯人ホリー・ジョーンズの正体

ケラーはアレックスへの拷問を続け、ついに「迷路」という言葉を聞き出します。

その意味を知るため、ケラーはアレックスの叔母ホリー・ジョーンズの家を訪ねますが、有力な情報は得られませんでした。

その後、フランクリンの娘ジョイが無事保護されたという知らせが入ります。

病院で衰弱しきったジョイに、ケラーがアンナの居場所を尋ねると、ジョイは「おじちゃんもいた」と呟きました。

ケラーは娘がホリーの家にいると確信し、再びホリーの家へ急行します。

そして、ついにホリーが拳銃をケラーに突きつけ、本性を現しました。

ホリーは亡くなった夫と共謀し、これまで数多くの子供を誘拐して殺害していたのです。

アレックスもボブも、ホリーの被害者でした。

ホリーはケラーに毒を飲ませ、片足を撃って自由を奪い、庭の車の下に掘られた地下の密室に監禁してしまいます。

そこには愛娘アンナの姿はなく、あったのはケラーが与えた赤いホイッスルだけでした。

クライマックスと結末

ロキ刑事は、ケラーが父の実家に向かったと推測し、その家に踏み込みます。

そこで監禁されていたアレックスを発見し、無事保護しました。

ロキはアレックスの保護を報告するため、ホリーの家へ向かいます。

ホリーの家に入ったロキは、飾られていた夫の写真に「迷路」のペンダントがあることに気づき、ホリーが真犯人であると確信しました。

ロキは銃を構えて家の奥へ進み、ついにホリーを発見します。

ホリーはアンナに薬物を注射しようとしていました。

ロキとホリーは銃撃戦となり、ロキはかすり傷を負いながらもホリーを射殺します。

そして、ロキはアンナを無事救出し、病院へ搬送しました。

事件は解決しましたが、ケラーはホリーの家の地下に監禁されたまま行方不明となっていました。

ホリーの家宅捜索が終了したある日、ロキは静寂に包まれた庭で微かにホイッスルの音を耳にします。

ロキは音の方向を振り返りました――そこで映画は幕を閉じます。

映画『プリズナーズ』の見どころ

圧倒的なサスペンスと緊張感

『プリズナーズ』最大の魅力は、終始途切れることのない緊張感です。

誘拐事件という重いテーマを軸に、父親の暴走、刑事の冷静な捜査、容疑者たちの不可解な行動が複雑に絡み合い、観客を最後まで釘付けにします。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の繊細な演出が、静かながらも重厚なサスペンスを生み出していますよ。

ヒュー・ジャックマンの迫真の演技

『X-MEN』シリーズや『レ・ミゼラブル』で知られるヒュー・ジャックマンですが、本作では愛する娘を救うために狂気へと堕ちていく父親を圧倒的な演技力で演じています。

拷問シーンでは涙を流しながらも決意を曲げないケラーの姿に、観客は心を揺さぶられます。

ヒュー・ジャックマンのキャリアの中でも最高峰の演技と評価されていますよ。

ジェイク・ギレンホールの冷静な刑事役

対照的に、ジェイク・ギレンホール演じるロキ刑事は、冷静沈着でありながらも事件解決への執念を持つキャラクターです。

感情に流されず、証拠に基づいて行動するロキの姿勢は、ケラーの暴走と対比され、物語に深みを与えています。

ジェイク・ギレンホールの繊細な演技が光る作品です。

「正義」と「狂気」のテーマ

映画『プリズナーズ』は、単なるサスペンス映画ではありません。

「家族を守るためならどこまで許されるのか」「正義とは何か」「法を超えた行動は正当化されるのか」といった重いテーマが描かれています。

ケラーの行動に共感するか、それとも批判するか――観る者によって感じ方が変わる、考察の余地が深い作品ですよ。

「迷路」と「ホイッスル」の象徴性

物語のキーワードとなる「迷路」は、キリスト教的な巡礼の象徴として使われています。

フランス北部のシャルトル大聖堂の床に描かれた迷路は、人生の巡礼を意味し、長い旅路の果てに神がいるとされています。

また、ケラーが娘に渡した「赤いホイッスル」は、救助を求める希望の象徴であり、ラストシーンでの重要な鍵となります。

こうした象徴性が物語に深みを与えていますよ。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映像美

『メッセージ』『ブレードランナー2049』『DUNE/デューン 砂の惑星』などで知られるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の映像美も見どころの一つです。

冷たく暗い色調、静寂と緊張感を際立たせるカメラワーク、計算された構図が、物語の重厚さをさらに引き立てています。

ヴィルヌーヴ監督ならではの世界観を堪能できますよ。

映画『プリズナーズ』の感想とレビュー

父親の愛と狂気の境界線

映画『プリズナーズ』を観て最も強く感じるのは、父親ケラーの愛情と狂気の境界線です。

娘を救いたい一心で法を破り、アレックスを拷問するケラーの姿は、観る者に複雑な感情を抱かせます。

彼の行動は間違っていますが、同時に「自分が同じ立場だったらどうするだろうか」と考えさせられますよね。

ケラーは敬虔なキリスト教徒であり、十字架を肌身離さず身に着けていますが、娘のためには神の教えすら超えてしまいます。

この矛盾した姿が、人間の本質を突いているように感じられますよ。

アレックスへの同情

知的障害を持つアレックスは、誘拐犯ではなく被害者でした。

ホリーに誘拐され、長年にわたって虐待されていたアレックスが、今度はケラーに監禁され拷問されるという二重の悲劇は、観ていて胸が痛みます。

アレックスを演じたポール・ダノの繊細な演技が、彼の無垢さと苦しみを見事に表現していますよ。

ラストシーンの余韻

映画のラストシーンは、明確な答えを提示せず、観客に委ねる形で終わります。

ロキがホイッスルの音を聞いて振り返るシーンで幕を閉じますが、ケラーが救出されるのか、それとも見つからないまま終わるのかは描かれていません。

この余韻の残る終わり方が、映画をさらに深いものにしていますよね。

多くの観客が「ケラーは救出されたのか」「ロキは音に気づいたのか」と議論を交わしており、考察の楽しさも本作の魅力です。

「プリズナーズ」とは誰のことか

タイトルの「プリズナーズ(囚人たち)」は、複数の意味を持っています。

アレックスやボブは、ホリーに囚われた囚人でした。

ケラーは、娘を救えない無力感と自らの行動によって囚われた囚人です。

そして、ホリー自身も、亡くなった息子への執着に囚われた囚人と言えるでしょう。

登場人物全員が何らかの形で「囚人」であるという多層的な構造が、物語に深みを与えていますよ。

こんな人におすすめ

サスペンス・スリラー好きな方

手に汗握る展開と緊張感が続く『プリズナーズ』は、サスペンス映画ファンにはたまらない作品です。

重厚な人間ドラマが好きな方

家族愛、正義、倫理といったテーマを深く掘り下げた本作は、単なる娯楽映画ではなく、考えさせられる人間ドラマでもあります。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督作品のファン

『メッセージ』『ブレードランナー2049』『DUNE/デューン 砂の惑星』などが好きな方には、ヴィルヌーヴ監督の初期ハリウッド作品である本作も楽しめますよ。

名優の演技を堪能したい方

ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールの迫真の演技を堪能したい方には必見の作品です。

映画『プリズナーズ』を視聴できるVODサービス

映画『プリズナーズ』は、以下の主要なVOD(動画配信サービス)で視聴可能です。

U-NEXT

U-NEXTでは、『プリズナーズ』が見放題配信されています。

初回31日間無料体験があるので、まだ登録していない方はこの機会に試してみてくださいね。

Amazonプライムビデオ

Amazonプライムビデオでも配信されており、レンタルまたは購入が可能です。

Netflix

配信状況は地域や時期によって変わるため、視聴前に確認してみてください。

まとめ

映画『プリズナーズ』は、誘拐事件を軸にした緊張感あふれるサスペンス映画でありながら、家族愛、正義、狂気といった深いテーマを描いた傑作です。

ヒュー・ジャックマンとジェイク・ギレンホールの圧巻の演技、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の重厚な映像美、そして余韻を残すラストシーンが、観る者の心に深く刻まれますよ。

「家族を守るためならどこまで許されるのか」という問いに、あなたはどう答えますか。

ぜひ一度、『プリズナーズ』を観て、その答えを自分なりに考えてみてくださいね。

きっと、映画を観終わった後も、あなたの心に強く残り続ける作品になるはずですよ。