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映画『ROMA/ローマ』あらすじと感想を徹底解説!モノクロ映像が美しいNetflix配信の名作

『ROMA/ローマ』は心に深く残る珠玉のヒューマンドラマ

Netflix配信の映画『ROMA/ローマ』をご存知でしょうか。

2018年に公開されたこの作品は、アカデミー賞で外国語映画賞・監督賞・撮影賞を受賞し、世界中の映画ファンから圧倒的な支持を受けた傑作なんです。

全編モノクロで撮影された映像美と、静かに心に染み入るストーリーは、一度観たら忘れられない感動を与えてくれますよ。

ここでは、『ROMA/ローマ』のあらすじから感想、見どころまで詳しく解説していきます。

ネタバレも含みますので、まだ観ていない方はご注意くださいね。

『ROMA/ローマ』の基本情報をチェック

まずは作品の基本情報から見ていきましょう。

製作年と上映時間

本作は2018年に製作されたメキシコ・アメリカ合作映画です。

上映時間は135分とやや長めですが、その時間を感じさせない濃密な内容になっていますよ。

監督と主なキャスト

監督を務めたのは、『ゼロ・グラビティ』や『トゥモロー・ワールド』で知られるアルフォンソ・キュアロン。

彼が脚本・撮影・製作・編集まで手がけた渾身の作品なんです。

主演のヤリッツァ・アパリシオは本作が映画デビュー作という新人女優で、その自然な演技が世界中で絶賛されました。

共演には、マリーナ・デ・タビラ、フェルナンド・グレディアガ、ホルヘ・アントニオ・ゲレーロなど、実力派の俳優陣が脇を固めています。

受賞歴がすごい!

この映画の評価の高さは、数々の映画賞受賞歴が物語っています。

第75回ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を獲得したのを皮切りに、第91回アカデミー賞では外国語映画賞・監督賞・撮影賞を受賞。

さらに第76回ゴールデングローブ賞の外国語映画賞と監督賞、英国アカデミー賞でも作品賞・監督賞・外国語作品賞を受賞するなど、世界中の映画賞を総なめにしたんですよ。

『ROMA/ローマ』のあらすじを詳しく解説

それでは、物語の内容を見ていきましょう。

舞台は1970年代のメキシコシティ

物語の舞台は1970年、メキシコシティ近郊のコロニア・ローマという地区です。

タイトルの「ROMA」はこの地区名から取られているんですね。

主人公のクレオは、中流階級の白人家庭で住み込みの家政婦として働く若い女性。

雇い主一家は、医師のアントニオ、妻のソフィア、ソフィアの母テレサ、そして4人の子どもたち、トーニョ、パコ、ソフィ、ペペで構成されています。

クレオの忙しい日常

クレオの毎日は、朝早くから夜遅くまで休む暇もありません。

洗濯物を干し、子どもたちを起こして朝食を準備し、学校への送り出し、掃除、犬の世話、末っ子のお迎え、夕食の支度。

家族が寝静まったあとも、家中を消灯して回ってから、ようやく自分の部屋で休むことができるんです。

クレオと一緒に働くもう一人の家政婦アデラは、クレオの良き理解者で仲間でした。

子どもたちはクレオによく懐いていて、クレオも子どもたちを本当の家族のように大切にしていますよ。

雇い主夫婦の不仲

医師であるアントニオは出張が多く、カナダのケベックでの会議などを理由に家を空けることがしばしば。

ソフィアはそんな夫に寂しさを感じ、時にはクレオに八つ当たりすることもありました。

実は、アントニオには愛人がいて、出張は嘘だったんです。

クレオの恋と妊娠

休日にアデラと街に出たクレオは、フェルミンという青年と出会います。

フェルミンは武術の訓練をしていて、自分の生い立ちや武術が人生を変えてくれたことをクレオに語りました。

二人は親密な関係になり、クレオは妊娠してしまいます。

映画館で妊娠を告げたクレオでしたが、フェルミンはトイレに立つと言ってそのまま姿を消してしまったんです。

ソフィアへの告白

クレオは勇気を出してソフィアに妊娠のことを打ち明けます。

「首になるでしょうか」と不安げに尋ねるクレオに、ソフィアは「そんなことはしないわ。でも一度診察を受けましょう」と優しく応えました。

病院での検査の結果、妊娠3〜4ヶ月であることが判明します。

新生児室の前で低出生体重児の赤ちゃんを見つめるクレオの表情には、不安と期待が入り混じっていました。

新年の旅行と山火事

クリスマスから新年にかけて、一家はクレオとアデラも連れて親戚の家へ旅行に出かけます。

アントニオは不在でした。

賑やかな新年のパーティーが開かれ、夜には山火事が発生。

大人も子どもも総出で消火活動にあたるという一幕もありました。

この旅行中、ソフィアは夫が愛人と暮らし始めていることを知り、深く傷ついていたんです。

フェルミンとの再会

クレオはアデラの協力を得て、フェルミンがいる武術の道場を訪れます。

しかし、フェルミンは妊娠について責任を認めようとせず、「二度と会いに来るな」と冷たく突き放すのでした。

「召し使いが」という言葉を吐き捨てるフェルミンの姿に、クレオは深く傷つきます。

衝撃の暴動シーン

出産予定日が近づいてきたある日、クレオはテレサと一緒にベビーベッドを見に家具店へ出かけます。

その日、街では学生による大規模なデモが行われていました。

これは実際に1971年に起きた「コーパスクリスティの虐殺」と呼ばれる事件を描いたシーンです。

突然、デモ参加者たちが銃を持った集団に襲われ、店内にも逃げ込んでくる人々が。

追ってきた武装集団の一人は、なんとフェルミンだったんです。

フェルミンと目が合ったクレオは恐怖で立ちすくみ、その場で破水してしまいました。

結末はどうなる?ネタバレありで解説

ここからは結末部分のネタバレを含みますので、ご注意くださいね。

悲しい出産

暴動が続く中、テレサはクレオを車に乗せて病院へ急ぎます。

しかし道路は大渋滞で、なかなか前に進みません。

ようやく病院にたどり着き、クレオは手術室に運ばれますが、赤ちゃんは死産でした。

看護師に「抱きますか?」と尋ねられたクレオは、小さな我が子を抱きしめ、なかなか離そうとしませんでした。

医師が赤ちゃんを白い布で包んでいく様子を、クレオは涙を流しながら見つめていたんです。

海辺への旅行

家に戻ってからも塞ぎ込むクレオを気遣い、ソフィアは家族旅行を提案します。

大きすぎるギャラクシーを売却し、小型の新車を購入したソフィアは、トゥスパンのビーチへ向かうことを決めました。

クレオも一緒にと誘われ、子どもたちやアデラにも後押しされて旅行に同行することに。

ビーチで遊び、ホテルで過ごす中、ソフィアは子どもたちに父親がもう戻ってこないことを告げます。

「私たちは一緒よ。みんなで支え合いましょう。これも冒険よ」と笑顔で語るソフィアの言葉には、不安と希望が同居していました。

命を救ったクレオ

翌日、再びビーチを訪れた一家。

ソフィアが車の点検に行く間、クレオは子どもたちを見ていることになりました。

波打ち際で遊んでいるだけという約束でしたが、波が荒くなり、次男のパコと長女のソフィが沖へと流されてしまいます。

泳げないクレオでしたが、迷わず海に飛び込み、二人を必死で探しました。

押し寄せる波の間を進み続け、なんとか二人を助け出すことに成功したんです。

クレオの告白

砂浜に戻った三人のもとへ、ソフィアとトーニョ、ペペが駆けつけます。

「クレオが助けてくれた」と長女が言い、ソフィアは何度もクレオに感謝の言葉を伝えました。

そのとき、クレオは涙を流しながらこう告白したんです。

「生まれてきてほしくなかったの」

死産した我が子に対して、そう思ってしまった自分への罪悪感に、ずっと苦しんでいたクレオ。

ソフィアと子どもたちは、泣き崩れるクレオを抱きしめ、「私たちクレオが大好きよ」と繰り返しました。

この抱擁のシーンは、家政婦と雇い主という関係を超えた、本当の家族の絆を感じさせる名場面ですよ。

日常への帰還

家に戻ると、アントニオがすでに荷物を引き払った後で、部屋の様子が変わっていました。

本棚がなくなり、子どもたちの部屋も入れ替わっています。

「楽しかった?」とアデラに聞かれたクレオは「よかった」と答え、荷物を置きに階段を上がっていきました。

洗濯物を持って屋上へ向かうクレオの後ろ姿を映して、映画は静かに幕を閉じます。

日常はまた続いていくのです。

実際に観た感想と心に残ったポイント

ここからは、実際に『ROMA/ローマ』を観た感想をお伝えしていきますね。

モノクロ映像の圧倒的な美しさ

まず何といっても、全編モノクロで撮影された映像の美しさに圧倒されました。

冒頭のタイルに水が流れるシーンから、もう心を奪われてしまいます。

水が溜まったタイルに空が映り込み、小さな飛行機が通り過ぎていく光景は、まるで詩のようですよ。

モノクロだからこそ際立つ光と影のコントラスト、空気感まで伝わってくるような繊細な映像表現は、カラー映画では決して表現できない独特の魅力を持っています。

長回しのカメラワークが生む臨場感

キュアロン監督自身が撮影を担当したこの作品では、長回しの映像が多用されています。

カメラは登場人物から一定の距離を保ちながら、右へ左へと動き続け、まるで観客もその場にいるかのような臨場感を生み出しているんです。

クレオが家中の電気を消して回るシーンでは、カメラが360度回転して彼女の動きを追います。

街の歩道を走るクレオと並走するシーンや、家具店で暴動が起きるシーンの横移動撮影など、計算し尽くされたカメラワークには圧倒されますよ。

静かに描かれる女性たちの強さ

この映画は、クレオとソフィアという二人の女性の物語でもあります。

一人は先住民の血を引く家政婦、もう一人は中流階級の白人女性。

立場は違っても、どちらも男に裏切られ、傷つき、それでも強く生きていこうとする姿が描かれていました。

夫に逃げられたソフィアが、ある日吹っ切れたように「これも冒険よ」と前を向く姿には、不安の中にも新しい人生へのワクワク感が宿っていましたね。

男たちが大切なものから逃げ出す中、いつも踏ん張って守っているのは女性たちなんだという監督のメッセージを感じました。

子どもたちとの関係に心が温まる

クレオと子どもたちの関係性が、とても温かくて心に残りました。

家政婦という立場でありながら、子どもたちはクレオを本当の家族のように慕っています。

海で溺れかけた子どもたちを助けたクレオを、家族全員で抱きしめるシーンは、涙なしには観られませんでしたよ。

あの瞬間、雇い主と家政婦という境界線は完全に消え去り、そこにあったのは純粋な愛と感謝だけでした。

社会問題も織り込まれた深いテーマ

個人の物語でありながら、1970年代のメキシコが抱えていた社会問題も描かれています。

学生運動と政府の弾圧、階級格差、先住民と白人の関係性。

家具店での虐殺シーンは、実際に起きた「コーパスクリスティの虐殺」を描いたもので、100人以上が命を落とした悲劇的な事件です。

個人史と社会史を重ね合わせる手法は見事で、極めてパーソナルな物語が普遍的なテーマへと昇華されていましたね。

死産のシーンが心に刺さる

クレオの出産シーンは、観ているのが辛くなるほどリアルで痛々しかったです。

病院への道のりの長さ、分娩室での苦しみ、そして赤ちゃんが生まれてこなかったという結果。

監督は省略を嫌い、クレオの体験をそのまま追体験させるかのように、執拗なまでに丁寧に描いていました。

だからこそ、最後に海辺で告白する「生まれてきてほしくなかったの」という言葉の重みが、深く心に刺さったんです。

『ROMA/ローマ』の見どころを徹底解説

この映画の魅力をさらに深掘りしていきましょう。

キュアロン監督の自伝的要素

実はこの映画、キュアロン監督が1970年代にコロニア・ローマで過ごした少年時代の記憶を元にした半自伝的作品なんです。

クレオのモデルは、監督の幼少期に彼を育ててくれた実際の家政婦。

映画はその女性への感謝と愛情を込めて捧げられています。

だからこそ、細部にまでリアリティがあり、温かみのある視点で描かれているんですね。

1970年代メキシコの完璧な再現

プロダクションデザインも素晴らしく、1970年代のメキシコシティが完璧に再現されています。

建物、街並み、車、服装、小道具の一つ一つに至るまで、徹底的にこだわって作られているんですよ。

その中をカメラが滑らかに動き回ることで、まるでタイムスリップしたかのような没入感が得られます。

音の使い方も秀逸

映像だけでなく、音の使い方も印象的でした。

子どもたちの笑い声、犬の鳴き声、街の喧騒、波の音。

劇的な音楽はほとんど使わず、環境音だけで物語を語る手法は、リアリズムを追求した結果でしょう。

静かな映画だからこそ、音一つ一つが意味を持って響いてくるんです。

無名の俳優たちの自然な演技

主演のヤリッツァ・アパリシオをはじめ、ほぼ無名の俳優が起用されています。

だからこそ、演技に嘘がなく、本当にその時代を生きている人々を見ているような感覚になりました。

特にクレオを演じたヤリッツァの表情は、言葉以上に多くのことを語っていましたよ。

犬の糞が象徴するもの

映画の中で何度も登場する犬の糞は、実は重要なシンボルなんです。

冒頭のタイルを洗うシーンから、車のガレージ入れに苦戦するシーン、父親が「この家は犬の糞だらけだ」と文句を言うシーンなど。

家庭の乱雑さや、父親の無責任さ、そして日常の中の小さな煩わしさを表現していると解釈できますね。

どこで観られる?『ROMA/ローマ』の配信情報

この素晴らしい映画、どこで観られるのか気になりますよね。

Netflixで独占配信中

『ROMA/ローマ』はNetflixオリジナル映画として製作されたため、現在はNetflixで独占配信されています。

Netflixに加入していれば、いつでも好きな時に視聴できますよ。

アカデミー賞を受賞した名作が、自宅で気軽に観られるなんて贅沢ですよね。

他のVODでは視聴不可

残念ながら、U-NEXT、Hulu、Amazonプライムビデオ、dTVなど、他の主要なVODサービスでは配信されていません。

Netflixオリジナル作品なので、観たい方はNetflixに加入する必要があります。

劇場公開は限定的だった

Netflix作品ということもあり、日本での劇場公開は限定的でした。

大スクリーンで観たかったという声も多く聞かれましたが、現在は配信でしか視聴できない状況です。

ただし、大画面のテレビとヘッドフォンで観れば、かなり映画館に近い体験ができますよ。

こんな人におすすめしたい作品です

最後に、どんな方にこの映画をおすすめしたいかをまとめてみました。

映像美を堪能したい方

モノクロの美しい映像、計算し尽くされたカメラワーク、繊細な光の表現。

映像そのものを芸術として楽しみたい方には、絶対におすすめです。

一枚一枚が絵画のような美しさを持っていますよ。

静かで深い人間ドラマが好きな方

派手なアクションや劇的な展開はありませんが、その代わりに人間の心の機微が丁寧に描かれています。

じっくりと物語に浸りたい、心に残る映画を観たいという方にぴったりですね。

社会問題に関心がある方

階級格差、女性の生き方、歴史的事件など、社会的なテーマにも切り込んでいます。

メキシコの歴史や文化に興味がある方、社会派ドラマが好きな方にも響く内容でしょう。

アート系映画が好きな方

国際映画祭で高く評価されただけあって、芸術性の高い作品です。

一般的なハリウッド映画とは一線を画す、作家性の強い映画が好きな方には堪らない作品ですよ。

逆にこんな方には向かないかも

正直に言うと、テンポの速いエンタメ映画を求めている方には向きません。

全編モノクロでセリフも少なく、ゆったりとしたペースで進むので、退屈に感じる可能性もあります。

でも、そのスローなペースこそが、この映画の魅力でもあるんですよね。

まとめ:『ROMA/ローマ』は一生に一度は観るべき名作

『ROMA/ローマ』は、家政婦クレオと雇い主一家の日常を通して、愛、喪失、家族の絆、そして女性の強さを描いた珠玉のヒューマンドラマです。

1970年代のメキシコを舞台に、キュアロン監督が自身の記憶を美しいモノクロ映像で綴った本作は、観る者の心に深く刻まれる感動を与えてくれますよ。

アカデミー賞3部門受賞という輝かしい実績が示す通り、映画史に残る傑作と言えるでしょう。

静かで地味な映画に見えるかもしれませんが、一度観れば、その圧倒的な映像美と心に染み入るストーリーの虜になること間違いなしです。

Netflix加入者なら今すぐ視聴できるこの名作、まだ観ていない方はぜひチェックしてみてくださいね。

きっとあなたの人生の映画リストに加わる一本になるはずですよ。