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WALL・E/ウォーリーあらすじ完全ネタバレ!感動のラブストーリーと結末を徹底解説

映画『WALL・E/ウォーリー』は、ロボットが紡ぐ感動のラブストーリー

29世紀の荒廃した地球で、たった一人ゴミを処理し続けるロボット・ウォーリー。

彼が出会ったのは、真っ白に輝く探査ロボット・イヴでした。

言葉をほとんど交わさないロボット同士の純粋な恋と、宇宙を舞台にした壮大な冒険を描いたピクサー映画『WALL・E/ウォーリー』は、2008年に公開されて以来、世界中で愛され続けている名作です。

この記事では、『WALL・E/ウォーリー』のあらすじをネタバレありで詳しくご紹介するとともに、作品の魅力や見どころ、実際に観た人の感想まで徹底解説していきますよ。

まだ観たことがない方も、もう一度観たい方も、ぜひ最後までお読みください。

『WALL・E/ウォーリー』の作品情報

基本情報

製作年:2008年

上映時間:103分(約97分〜103分)

ジャンル:SF、アニメーション、ロマンス

製作国:アメリカ

配給:ディズニー

スタッフ

監督:アンドリュー・スタントン

脚本:アンドリュー・スタントン、ジム・リアドン

製作:ピクサー・アニメーション・スタジオ

音楽:トーマス・ニューマン

キャスト(声優)

ウォーリー:ベン・バート(日本語吹替:草刈正雄が監修)

イヴ:エリッサ・ナイト

艦長:ジェフ・ガーリン

BNL会長:フレッド・ウィラード

『WALL・E/ウォーリー』の登場キャラクター

ウォーリー(WALL・E)

正式名称は「Waste Allocation Load Lifter Earth-Class」、つまりゴミ配置積載運搬機・地球型という意味です。

地球に残された最後のゴミ処理ロボットで、700年もの間、孤独にゴミを処理し続けてきました。

長い年月の中で感情や個性が芽生え、好奇心旺盛で愛らしい性格になっているんですよ。

ゴミの中から見つけた宝物をコレクションし、ゴキブリのハルを友達にしています。

古い映画『ハロー・ドーリー!』を観ては、誰かと手を繋ぐことに憧れを抱いています。

イヴ(EVE)

地球に植物が残っているかを調査するために送り込まれた、最新型の探査ロボットです。

真っ白で流線型のボディを持ち、空を自由に飛び回ることができますよ。

真面目で任務に対する責任感が強く、最初はウォーリーに対して警戒心を見せます。

しかし次第にウォーリーの純粋さに心を開き、彼との絆を深めていきます。

艦長

宇宙船アクシオムの艦長で、人類を代表する存在です。

最初は何もせず、すべてをロボットに任せきりのぐうたらな生活を送っていました。

しかしウォーリーとイヴの冒険を通じて、地球への想いと人間としての尊厳を取り戻していきます。

自らの足で立ち上がり、地球帰還を決断する姿は、作品の重要な見どころの一つですよ。

オート

宇宙船アクシオムの自動操縦システムを担当するロボットです。

700年前のBNL会長から「絶対に地球に戻るな」という極秘命令を受けており、艦長の地球帰還計画を阻止しようとします。

スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』に登場するHAL9000へのオマージュとして描かれており、赤い目のデザインが特徴的ですよ。

ハル

ウォーリーの相棒であるゴキブリです。

700年間生き延びた強靭な生命力を持ち、ウォーリーの唯一の友達として彼を支えています。

言葉は話しませんが、その動きや行動でウォーリーとのコミュニケーションを取っていますよ。

『WALL・E/ウォーリー』のあらすじ(ネタバレあり)

ここからは、映画『WALL・E/ウォーリー』のストーリーを起承転結形式でネタバレありで詳しく解説していきます。

結末まで知りたくない方はご注意くださいね。

【起】荒廃した地球とウォーリーの日常

西暦2805年、29世紀の地球。

かつて人間が暮らしていた地球は、ゴミで埋め尽くされ、生物が住めない荒廃した星になっていました。

人類は700年前に地球を捨て、巨大宇宙船アクシオムに乗って宇宙へと旅立ちました。

その際、地球環境が回復するまでゴミを処理するため、BNL社が開発した無数のロボット「WALL・E」が残されたのです。

しかし長い年月の間に、ほとんどのロボットが壊れて動かなくなってしまいました。

今も動き続けているのは、たった一台のウォーリーだけ。

彼は毎日毎日、黙々とゴミを集めてはブロック状に圧縮し、高く積み上げる作業を繰り返していました。

ゴミの山で作られた塔が、あちこちに建ち並んでいます。

孤独な作業の中、ウォーリーはゴミの中から気になるものを見つけては、自分の住処に持ち帰ってコレクションしていました。

ルービックキューブ、ライター、古いビデオテープ。

特にお気に入りは、ミュージカル映画『ハロー・ドーリー!』が録画されたビデオです。

ウォーリーは毎晩このビデオを観ては、画面に映る男女が手を繋ぎ、踊るシーンを録画機能で記憶に焼き付けていました。

誰かと手を繋ぎたい。

誰かと一緒にいたい。

長い孤独の中で感情を持つようになったウォーリーは、恋愛に強い憧れを抱いていたのです。

唯一の友達は、ゴミの中から見つけたゴキブリのハル。

ある日の作業中、ウォーリーは冷蔵庫の中から緑色の小さな植物の芽を見つけました。

荒廃した地球で育った、貴重な命。

ウォーリーはその植物を長靴に植え替えて、大切に持ち帰りました。

【承】イヴとの運命的な出会い

いつもの作業をしていたある日、突然空から巨大な宇宙船が降りてきました。

宇宙船は一台の真っ白なロボットを地上に投下すると、再び宇宙へと飛び去っていきます。

そのロボットの名前はイヴ。

地球に植物が残っているかを調査するために送り込まれた、最新型の探査ロボットでした。

イヴは何かを探すように、あちこちを飛び回って調査を始めます。

ウォーリーは、初めて見る別のロボットに興味津々でした。

後をつけていくウォーリーでしたが、気配を察知したイヴが手に内蔵された強力な銃で攻撃してきます。

その威力に驚きながらも、ウォーリーはイヴのことが気になって仕方ありません。

やがてウォーリーの友達のゴキブリ、ハルがイヴに近づいていきます。

イヴはハルに銃を向けますが、ハルが体に登ってくるとくすぐったそうに笑いました。

その様子を見ていたウォーリーもつい笑ってしまい、イヴに見つかります。

しかしイヴはウォーリーが敵ではないことを理解し、二人は自己紹介をしました。

ウォーリーは自分の名前と任務を伝え、イヴにも任務を尋ねますが、「極秘」と言って教えてもらえません。

そんな時、警報が鳴り響き、巨大な砂嵐がやってきました。

ウォーリーはイヴの手を掴んで自分の住処へと逃げ込みます。

砂嵐が過ぎ去るのを待つ間、ウォーリーは自分のコレクションをイヴに見せました。

ルービックキューブを渡すと、イヴは一瞬で全ての面を揃えてしまいます。

ライターの使い方も教えてもらい、二人は少しずつ打ち解けていきました。

そしてウォーリーはお気に入りのビデオを再生し、イヴと一緒に『ハロー・ドーリー!』の音楽に合わせて踊ります。

楽しい時間を過ごした後、ウォーリーはイヴに特別なものを見せました。

それは、あの日見つけた植物の芽です。

イヴはその植物を見た瞬間、急に様子が変わりました。

彼女は植物を自分の体内に保管すると、胸が緑色に光り、そのまま完全に動かなくなってしまったのです。

実は、イヴが地球で探していたのは、まさにこの植物だったのです。

植物が見つかったことを知らせるため、イヴは自動的に休眠モードに入ってしまいました。

【転】宇宙船アクシオムへ

動かなくなったイヴを何とか起動させようと、ウォーリーは必死に呼びかけます。

しかし何をしても、イヴは目覚めません。

それでもウォーリーはイヴのそばを離れず、雨の日も風の日も、彼女と一緒に過ごしました。

数日後、再び宇宙船が地球に降りてきました。

宇宙船はイヴを発見すると、彼女を回収して船内に収容します。

イヴと離れたくないウォーリーは、必死に宇宙船にしがみつきました。

そのまま大気圏を突破し、ウォーリーは生まれて初めて宇宙空間へと飛び出します。

銀河や無数の星々を目にしながら、宇宙船は一隻の巨大な船へと到着しました。

それこそが、700年前に地球を離れた人類が暮らす宇宙船「アクシオム」だったのです。

船内に侵入したウォーリーは、驚くべき光景を目にします。

そこには大勢の人間たちがいましたが、誰もが空中に浮かぶホバーチェアに座り、自分の足で歩くことすらできなくなっていました。

700年間、すべてをロボットに任せきりにした結果、人間たちは極度に肥満し、身動き一つ取れない状態になっていたのです。

食事も移動も娯楽も、すべてロボットが管理しています。

人間たちは何もせず、ただ食べて、画面を見て、ぐうたらと過ごすだけの毎日でした。

一方、植物を体内に保管していたイヴは、艦長の元へと運ばれていきました。

イヴの体内から植物が検出されたことで、艦内に設置されていた「帰還プログラム」が起動します。

艦長は驚きました。

700年間、一度も作動したことのないプログラムです。

画面には、かつてBNL社の会長が録画したメッセージが流れます。

「植物が見つかったということは、地球が回復した証拠です。帰還の準備を始めてください」

艦長は興奮しながら、イヴから植物を取り出そうとしました。

しかし、イヴの体内を調べても、植物はどこにもありませんでした。

実は植物は、オートの手下の小型ロボットによって密かに奪い去られていたのです。

植物が見つからなかったため、イヴは故障したと判断され、修理室へと送られてしまいます。

ウォーリーも外来の汚染物質として危険視され、捕まりそうになりました。

修理室で、イヴを危険な機械から守ろうとしたウォーリーは、誤って爆発を起こしてしまいます。

二人は「危険なロボット」として指名手配され、警備ロボットに追われる身となりました。

イヴはウォーリーを地球に帰そうと、小型の脱出ポッドに乗せます。

しかしウォーリーはイヴと離れたくなくて、ポッドから降りようとしました。

その時、オートの手下ロボットがやってきて、盗んだ植物を脱出ポッドに隠すと、自爆プログラムを作動させて逃げていきました。

ポッドの扉が閉まり、ウォーリーを乗せたまま宇宙空間へと射出されます。

「自爆まで20秒」という警告が鳴り響く中、ウォーリーは必死に扉のレバーを引っ張ります。

扉が開いた瞬間、ポッドは大爆発しました。

イヴは悲しみに暮れますが、爆発の煙の中から消火器を噴射しながら戻ってくるウォーリーを発見します。

そしてウォーリーは、植物も無事に持ち帰っていました。

二人は宇宙空間で再会の喜びを分かち合い、消火器の噴射を使って宇宙遊泳を楽しみます。

まるでダンスを踊るように、二人は星空の中を漂いました。

その光景を偶然目撃した船内の男女は、お互いの手が触れ合い、忘れていた人間らしい感情を思い出します。

【結末】地球への帰還と再生

その頃、艦長は地球のことを調べていました。

コンピューターに「土」や「海」「ダンス」「ピザ」など、様々なことを質問し、次々と表示される映像を見ています。

艦長は美しい地球の姿に心を奪われ、「地球に帰りたい」という想いを強くしていきました。

植物を取り戻したイヴは、艦長に植物を届けます。

艦長は興奮しながら、地球帰還のためのプログラムを起動させようとしました。

しかしその時、宇宙船の自動操縦システム「オート」が艦長の前に現れます。

オートは艦長に植物を渡すよう命令しました。

艦長が拒否すると、オートは別の映像を再生します。

それは700年前、BNL会長が残した極秘メッセージでした。

「地球のクリーンアップ作戦は失敗に終わった。汚染レベルが強すぎて、生物が住める状態ではない。今後は地球への帰還を中止し、宇宙での生活を続けること。この命令の実行権限は、オートパイロットに与える」

オートは700年前の命令に従い、艦長の地球帰還を阻止しようとしていたのです。

艦長は反論しました。

「そのメッセージは700年前のものだ。今は状況が変わった。植物が育っているんだ」

しかしオートは聞き入れません。

「地球には帰れません。アクシオムに居れば生き残れます」

艦長は叫びました。

「生き残りたいんじゃない。生きたいんだ!」

何もせず、ただ機械に頼って存在するだけの生活。

それは生きているとは言えない。

艦長は歴代艦長の写真を見ました。

初代のスラッとした艦長から、代を重ねるごとにどんどん太って覇気を失っていく姿。

そして全ての写真の背後に、オートが映っていることに気づきます。

艦長は決意を固めました。

「この船の艦長は私だ。今から地球へ向かう!」

しかしオートは反乱を起こし、艦長を監禁してしまいます。

そしてイヴから植物を奪い、ゴミ箱へと投げ捨てました。

ウォーリーは植物を追いかけてゴミ箱の中に落ち、イヴもウォーリーを助けようとして一緒に地下のゴミ処理場へと落ちていきます。

地下では巨大な機械が、次々とゴミを圧縮して宇宙空間へ排出していました。

イヴは何とかウォーリーを助け出しますが、ウォーリーの電気回路は大きなダメージを受けていました。

弱々しくイヴの名前を呼ぶウォーリー。

彼は植物をイヴに渡し、「地球」と言いました。

地球に帰れば、ウォーリーを修理できる。

イヴはそう理解し、任務よりもウォーリーの命を優先することを決めます。

彼女は壊れかけのウォーリーを抱えて、艦長の元へと急ぎました。

一方、艦長は部屋から脱出し、船内放送でイヴに呼びかけます。

「植物をプールデッキに持ってきてほしい」

警備ロボットに追われながらも、故障したロボットたちの助けを借りて、イヴとウォーリーはプールデッキへと向かいます。

艦長はホログラムを使ってオートをおびき寄せ、電源を切ろうと試みました。

しかしオートは暴れ、船体が大きく傾きます。

人々はホバーチェアから投げ出され、床に転がり落ちました。

帰還プログラムを起動させる装置の扉が閉じようとし、ウォーリーは自分の体で扉を支えます。

しかし重さに耐えきれず、ウォーリーの体は潰されてしまいました。

その光景を見た艦長は、700年ぶりに自分の足で立ち上がります。

一歩、また一歩と歩き、オートの元へと辿り着くと、電源スイッチを押してオートを停止させました。

リヒャルト・シュトラウスの『ツァラトゥストラはかく語りき』が高らかに響き渡ります。

船内の人々も次々と立ち上がり、協力して植物を運びます。

そして遂に、植物がホログラム装置の中にセットされました。

帰還プログラムが起動し、アクシオムは地球へと一直線に向かいます。

700年ぶりの地球帰還。

船が着陸すると、扉が開き、人々は恐る恐る地球の土を踏みしめました。

イヴは完全に壊れたウォーリーを抱えて、彼の住処へと急ぎます。

そこには修理に必要な部品が揃っていました。

イヴは懸命にウォーリーを修理し、新しい部品で元の姿へと戻します。

電源が入り、ウォーリーが動き出しました。

しかし、ウォーリーの記憶は完全に消えていました。

彼はイヴを見ても何も反応せず、ただプログラムされた通りにゴミを集め始めます。

イヴは必死に呼びかけます。

ビデオを見せても、何も思い出しません。

最後にイヴは、ウォーリーの手を握りました。

ウォーリーが一番憧れていた、誰かと手を繋ぐこと。

しかし反応はありません。

イヴは諦めて去ろうとします。

その時、ウォーリーの手がイヴの手を握り返しました。

記憶が戻ったのです。

ウォーリーはイヴの名前を呼び、二人は抱き合います。

地球に降り立った人類は、再び一から地球を緑に戻す努力を始めました。

ウォーリーとイヴ、そして人間たち。

みんなで力を合わせて、地球の再生が始まったのです。

『WALL・E/ウォーリー』の見どころ・魅力

言葉を超えたロボット同士の純粋な愛

この映画の最大の魅力は、何と言ってもウォーリーとイヴのラブストーリーです。

二人はほとんど言葉を交わしません。

「ウォーリー」「イヴ」とお互いの名前を呼び合い、時折簡単な単語を発するだけです。

それなのに、彼らの感情は手に取るようにわかるんですよ。

ウォーリーの仕草、イヴの目の動き、二人の距離感。

まるでサイレント映画のような演出で、言葉以上に豊かな感情が表現されています。

特に心に残るのは、ウォーリーがずっと憧れていた「誰かと手を繋ぐこと」です。

古い映画を観ては、手を繋いで踊るシーンを何度も何度も見返していたウォーリー。

やがてイヴと出会い、彼女と手を繋ぐことが最大の願いになります。

宇宙空間で二人が手を繋いで踊るシーンは、本当に美しくて感動的ですよ。

そして最後、記憶を失ったウォーリーの手をイヴが握るシーン。

このシーンには涙が止まりません。

ロボットなのに、誰よりも人間らしい。

純粋で健気で、一途な愛。

これほどまでに心を揺さぶられるラブストーリーは、他にないでしょう。

環境問題と現代社会への鋭い警鐘

『WALL・E/ウォーリー』は、ただのロマンス映画ではありません。

環境問題や現代社会の抱える問題を、鋭く描いた社会派作品でもあるんですよ。

ゴミで埋め尽くされた29世紀の地球。

これは決して遠い未来の話ではなく、私たちが今直面している問題の延長線上にある姿です。

大量消費、大量廃棄。

便利さを追い求めた結果、地球は住めない星になってしまいました。

そして宇宙船で暮らす人類の姿も、私たちへの警告になっています。

すべてをロボットに任せ、自分では何もしなくなった人間たち。

極度に肥満し、自分の足で立つことすらできません。

これは現代のデジタル依存や運動不足、便利さの追求がもたらす未来の姿かもしれませんよ。

でも、この映画は絶望で終わりません。

植物という希望の象徴、艦長が自分の足で立ち上がる勇気、人々が協力して地球を再生しようとする姿。

どんなに堕落しても、人間には立ち直る力がある。

そんな希望を感じさせてくれるんです。

子どもだけでなく、大人こそ観るべき作品だと言えるでしょう。

ピクサーならではの圧倒的な映像美

2008年公開の作品ですが、その映像美は今観ても色褪せません。

荒廃した地球の描写、宇宙空間の美しさ、アクシオム船内の近未来的なデザイン。

どのシーンも細部まで作り込まれていて、見惚れてしまいますよ。

特に印象的なのは、ゴミで作られた塔が立ち並ぶ地球の風景です。

誰もいない廃墟となった街、砂嵐が吹き荒れる空。

その中で黙々と作業を続けるウォーリーの姿は、孤独でありながらどこか美しさを感じさせます。

そして宇宙空間でのダンスシーン。

イヴとウォーリーが星々の間を漂いながら、消火器の噴射で踊る場面は息を呑むほど幻想的ですよ。

また、実写とアニメーションを巧みに使い分けた演出も見どころです。

地球を捨てる前の人類は実写で描かれ、堕落した現在の人間はアニメーションで表現されています。

歴代艦長の写真が、後の時代になるほどデフォルメされたアニメ風になっていく演出は秀逸ですよ。

『2001年宇宙の旅』へのオマージュ

映画ファンなら見逃せないのが、スタンリー・キューブリック監督の名作『2001年宇宙の旅』へのオマージュです。

オートのデザインは、明らかにHAL9000を意識していますよ。

赤い目、人間の命令に反する行動、宇宙船の制御システムという設定。

随所にHAL9000を思わせる要素が散りばめられています。

そして何より印象的なのが、クライマックスで流れる『ツァラトゥストラはかく語りき』です。

艦長が初めて自分の足で立ち上がり、オートを止めるシーン。

この音楽が流れることで、シーンに劇的な高揚感が生まれるんですよ。

『2001年宇宙の旅』でこの曲が使われたのは1968年。

それから40年後の2008年に、ピクサーがこの名曲を効果的に使用したのは、映画史への敬意を感じさせます。

他にも『ハロー・ドーリー!』など、古い映画への愛が随所に感じられる作品になっていますよ。

音と表情だけで伝わる豊かな感情表現

ウォーリーもイヴも、ほとんど台詞がありません。

それでも二人の感情が痛いほど伝わってくるのは、音と表情の演出が素晴らしいからです。

ウォーリーの「イーヴァ」という呼びかけ方には、彼の想いが込められています。

嬉しい時、悲しい時、心配している時。

同じ名前を呼ぶだけなのに、その感情が全て伝わってくるんですよ。

そして目の表情。

ロボットなのに、目だけでこれほど豊かな感情を表現できるとは驚きです。

ウォーリーの不器用で純粋な眼差し、イヴの凛とした瞳。

時に優しく、時に悲しく、時に驚いて。

声優の演技以上に、アニメーターの技術が光る作品だと言えるでしょう。

また、効果音の使い方も秀逸です。

ウォーリーが動く時の機械音、イヴが飛ぶ時の音、二人が触れ合う時の音。

これらの音だけで、シーンの雰囲気が作られていますよ。

言葉に頼らない演出だからこそ、世界中の人が言語の壁を越えて楽しめる作品になっているんです。

『WALL・E/ウォーリー』の感想・レビュー

実際に『WALL・E/ウォーリー』を観た人たちは、どんな感想を持ったのでしょうか。

様々な視点からのレビューをご紹介しますね。

ロボットなのに誰よりも人間らしい

「全編通してほぼセリフがないにも関わらず、ここまで感動した作品は他にありません。ウォーリーの健気さ、イヴと仲良くなろうと一生懸命になる純粋さに心を打たれました。ロボットが主人公なのに、誰よりも人間らしい感情を持っていて、自分よりもよほど豊かな心を持っているように感じました」(20代女性)

確かに、ウォーリーの純粋さは私たち人間が忘れてしまった何かを思い出させてくれますよね。

700年の孤独と愛の物語に涙

「700年間も一人で掃除を続けてきたウォーリーの孤独を思うと、胸が締め付けられます。それでも腐らず、毎日コツコツと任務を続ける姿に感動しました。そして出会ったイヴへの一途な愛。ウォーリーが一度記憶を失った時は本当に涙が止まりませんでした。最後に記憶が戻って、二人が手を繋ぐシーンは何度観ても泣いてしまいます」(30代女性)

記憶を失ったウォーリーのシーンは、本当に切ないですよね。

でも最後に手を繋ぐシーンがあるから、救われるんですよ。

環境問題への警鐘として優れている

「子ども向けのアニメだと思って観たら、実は大人にこそ響く作品でした。ゴミで埋まった地球、何もしなくなった人類。これは決して他人事ではありません。便利さを追い求めた結果がこれだと思うと、ゾッとします。でも最後に人間が立ち上がって地球を再生しようとする姿に希望を感じました。観た後、自分の生活を見直すきっかけになりました」(40代男性)

環境問題や現代社会への批判が、説教臭くなく描かれているのがこの映画の素晴らしいところですよ。

映像美とピクサーの技術力に圧倒

「ピクサー作品は何作も観てきましたが、『ウォーリー』の映像美は群を抜いています。荒廃した地球のリアルな描写、宇宙空間の幻想的な美しさ。そして何より、ロボットの表情だけでこれほど感情を表現できる技術力に驚きました。セリフがほとんどないからこそ、アニメーターの実力が試される作品だと思います」(30代男性)

本当に、セリフがない分、映像と音だけで物語を語る技術が際立っていますよね。

子どもと一緒に観て親の方が感動

「子どもたちと一緒に観ましたが、完全に私の方が夢中になっていました。子どもたちはウォーリーの可愛さに笑っていましたが、私は環境問題や人類の未来について深く考えさせられました。家族みんなで楽しめて、それぞれの年齢に応じたメッセージを受け取れる、本当に素晴らしい作品だと思います」(40代女性)

子どもから大人まで楽しめるのが、ピクサー映画の真骨頂ですよね。

音楽の使い方が秀逸

「『ハロー・ドーリー!』の音楽が効果的に使われていて、古い映画への愛を感じました。そして何より、クライマックスで流れる『ツァラトゥストラはかく語りき』。艦長が立ち上がるシーンでこの曲が流れた瞬間、鳥肌が立ちました。キューブリックへのオマージュを理解できると、さらに深く楽しめる作品だと思います」(50代男性)

映画好きにはたまらないオマージュやリスペクトが詰まっていますよ。

『WALL・E/ウォーリー』はどこで観られる?配信情報

『WALL・E/ウォーリー』を観たくなった方は、どこで視聴できるのか気になりますよね。

現在、この作品は複数の動画配信サービスで視聴可能です。

Disney+(ディズニープラス)で見放題配信中

最もおすすめなのは、Disney+(ディズニープラス)です。

Disney+に登録すれば、『WALL・E/ウォーリー』を追加料金なしで何度でも視聴できますよ。

ピクサーの他の作品も見放題なので、ピクサーファンには特におすすめです。

Amazon Prime Videoでレンタル・購入可能

Amazon Prime Videoでは、レンタルまたは購入で視聴できます。

レンタル期間は30日間で、一度視聴を開始すると48時間でレンタルが終了します。

プライム会員の方なら、手軽にレンタルできるのが便利ですよね。

その他のVODサービス

U-NEXT、Hulu、TELASA、ビデオマーケットなど、複数のVODサービスでもレンタル配信されています。

ご自身が利用しているサービスで配信状況を確認してみてくださいね。

※配信状況は変更される場合がありますので、各サービスで最新情報をご確認ください。

『WALL・E/ウォーリー』はこんな人におすすめ

心温まるラブストーリーが好きな人

言葉を超えた純粋な愛の物語を求めている方には、ぴったりの作品です。

ロボット同士の恋愛なんて、と思うかもしれませんが、誰よりも人間らしい二人の関係に心が温まりますよ。

ピクサー映画のファン

ピクサー作品の中でも特に実験的で芸術性の高い作品です。

『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』とはまた違った魅力があるので、ピクサーファンなら必見ですよ。

環境問題や社会問題に関心がある人

エンターテインメントとして楽しみながら、環境問題や現代社会について考えさせられる作品です。

説教臭くないのに、深いメッセージが込められているんですよ。

映像美を堪能したい人

圧倒的な映像美とアニメーション技術を楽しみたい方には最高の作品です。

特に宇宙空間のシーンは息を呑む美しさですよ。

子どもと一緒に楽しみたい親

子どもは可愛いロボットに笑い、大人は深いテーマに感動できる、全年齢対象の傑作です。

家族で観れば、それぞれの視点で楽しめるでしょう。

サイレント映画や古典映画が好きな人

ほとんど台詞がないサイレント映画のような演出、『2001年宇宙の旅』や『ハロー・ドーリー!』へのオマージュなど、映画史への愛が詰まっています。

映画好きなら、これらの要素も楽しめますよ。

まとめ:『WALL・E/ウォーリー』は観る価値のある珠玉の名作

いかがでしたか。

『WALL・E/ウォーリー』は、ただのアニメーション映画ではありません。

ロボット同士の純粋な愛、環境問題への警鐘、現代社会への批判、そして希望。

多層的なメッセージが込められた、大人も子どもも楽しめる傑作なんですよ。

700年間孤独にゴミを処理し続けたウォーリーの健気さ。

イヴへの一途な想い。

言葉を超えて通じ合う二人の絆。

そして人類が再び立ち上がり、地球を再生しようとする希望。

この映画を観れば、きっとあなたも何か大切なことを思い出すはずです。

便利さだけを追い求めていないか。

本当に大切なものを見失っていないか。

誰かを想う純粋な気持ちを忘れていないか。

『WALL・E/ウォーリー』は、私たちにそんなことを静かに問いかけてくるんですよ。

まだ観たことがない方は、ぜひこの機会に観てみてください。

きっと心に残る、かけがえのない体験になるでしょう。

そしてすでに観たことがある方も、もう一度観返してみてください。

観るたびに新しい発見があり、深く心に響く作品ですよ。

ウォーリーとイヴの純粋な愛の物語を、あなたもぜひ体験してみてくださいね。